0から1をつくる まだないビジネスモデルの描き方

発刊
2016年6月15日
ページ数
200ページ
読了目安
187分
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推薦者

新しいビジネスモデルを描くための5つの手順
「0から1」を生み出すためにはどうすればいいのか。新しいビジネスモデルの描き方を、スタートアップ企業の取り組みを参考にしながら、わかりやすく解説している一冊。

0からビジネスをつくるための5ステップ

0からビジネスをつくる際の企画と、既存のビジネスを改善する際の企画では性質が大きく異なる。現状の問題点をアンケートなどで収集しても、世の中にはまだ存在しないビジネスを生み出すヒントはなかなかでてこない。

参考になるのはスタートアップ企業である。彼らは新しいビジネスを起こすに当たって、まずは多くのユーザーに受け入れられる新しい「価値」を模索する。そして試行錯誤を重ねながら、ユーザーが持つ既存の常識や慣習を壊す「新たな体験」を提供するサービスを開発しようとする。スタートアップ企業が新たなビジネスを企画するプロセスからは、共通する取り組みが抽出できる。これらは大きく5つのステップに分かれる。

①「暗黙の要望」を理解する
②「嬉しい5年後」を描く
③「問い」を固める
④アイデアを「カタチ」にする
⑤「動かす」環境を整える

 

①「暗黙の要望」を理解する

ユーザーの感じていることや言語化しにくい価値観を把握する。企画する側の視点で共感できる価値観を基点にして、Whyを見つけていく。

1.価値観をあぶり出す
「現場観察」「デプスインタビュー」「対話を通じた自分史の作成」を行う。相手の表情や声のトーンといった非言語的・情緒的な価値観のヒントになる情報を集める。過去から現在に至る取り組みを俯瞰し、何を大切にしてきたのかを確認する。

2.課題を推し量る
集めた情報に対し「背景」や「主張」の共通項を見出し、課題を推し量る。

3.Whyを見つける
共感できる価値観から本質的な目的を見出す。

 

②「嬉しい5年後」を描く

自分達が生み出したい将来の「価値」をビジョンとして示す。ポイントは直感や主観を大事にすること。

1.「こと」を考えるテーマを決める
2.多様な業界の変化の予兆を抽出する
3.気になる予兆を抽出する
4.予兆同士の関係を基に未来のシナリオを作る
5.シナリオへの自分達の関わり方を決める
6.自分のアクションを決める

 

③「問い」を固める

ビジョンを基に何をすべきか、なぜそれに取り組むのかを明確にする。解決策となりうるアイデアがいくつも出るような問いが理想的。仮の問いを立てたら、それを解決しそうなアイデアを出し合い、手に触れられるものに仕立てる。

1.仮の「問い」を設定する
2.仮の問いを解決するアイデアを出す
3.アイデアを体感する
4.アイデアを評価する

 

④アイデアを「カタチ」にする

プロトタイプやモックアップを作り、有効性やユーザーの共感度を検証する。ポイントは、スピードと分かりやすさのために、デモの機能を1つに絞り込むこと。短期間で繰り返し体験してもらうことを重視する。

1.ユーザーの新しい体験を描く
2.作りたい機能を1つに絞り込む
3.短期サイクルで動くデモを作る
4.ユーザーに試してもらい学ぶ
5.提供する価値を見直す

 

⑤「動かす」環境を整える

利害関係者を巻き込み、生み出した「価値」を拡大させる。関係者の疑問に答えるために「背景や問題意識」「課題解決の方向性」「創出したい価値」「利用シーンのイメージ」「実現モデル案」「関係者ごとのメリット」「モデル実現に向けたリスク、課題」、7つの観点を盛り込む。

1.自由時間を作る
2.チームの行動規範を作る
3.共感を呼ぶコンテンツを作る
4.共創の「場」を作る

これら5つのステップは基本的には順に沿って進めるが、行ったり来たりしたり、大きく方向転換をする場合もある。