ビジネスと人生の「見え方」が一変する 生命科学的思考

発刊
2021年1月8日
ページ数
232ページ
読了目安
238分
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生命の原理原則を知ることで視野が開かれる
生命科学の研究者であり、遺伝子解析サービスを立ち上げた起業家でもある著者が、生命の原理原則を知った上で物事を見ることが大切であると説く一冊。生命の原理原則を知り、人間の特性を客観的に捉えることができるようになれば、自由に視野を設定し、より良い思考と判断ができると紹介しています。

人の視野は狭いが、生命の原則を知れば広い視野を持つことができる

生命の原理や原則を客観的に理解した上で、視野を自在に切り替えて思考することで、主観を見出し行動に移せば、自然の理に立脚しながらも希望に満ちた自由な生き方が可能となる。

 

私たちが普段生活する中で行うすべての活動の根底には、「個体として生き残り、種が繁栄するために行動する」という共通する生命原則が存在している。この生命原則を理解すれば、広い視野を獲得できる。

生命原則の「個体が生き残る」ことと「種が繁栄する」ことは並列ではなく、まず個体として生き残ることが先で、次に種が繁栄するために行動する。私たちの視野が狭いのは、まず個体として生き残るために必要な機能である。生命原則の存在により、私たちの視野の設定は不自由であるが、視野には空間的にも時間的にも様々存在する。

生命のメカニズム、つまり全体の構造という視野の広い状態で見ることで、どの程度の視野に設定して物事を見るべきか、その上で自分はどう判断するかという一連の行動を取りやすくなる。

 

主観から生まれる「思考」こそ人類の希望である

人間は、主観的な意志を活かして活動できる数少ない生物である。私たち生命は基本的に「個体として生き残り、種が繁栄するために行動する」という生命原則のもとに、遺伝子に書かれた情報に従って生命活動を実行している。しかし、そこに自由意志が存在すると考えることで、実際の行動自体が変わる余地が生じる。「生命原則に歯向かう意志が存在する」と思うことそのものが、遺伝子に歯向かう力になる。

 

世の中の課題のほとんどは、客観的に設定された課題ではなく、それが解決された状態を私たちが主観的に望むことで初めて課題として存在するものである。つまり、自ら選んで「課題」を設定できるということ自体が、極めて自由かつ主体的な性質を持つ。逆に言えば、課題を見つけることで自身の意思が見える。その見えてきた自身の主観的な意志を認識することが、課題解決への推進力となる。

 

個人の悩みや会社の課題は、行動を起こすためのきっかけであり、そのきっかけは主観や思考から生まれる。悩みや課題があると感じていることすら、自分たちの主観であると言える。

自分の主観を見つけるためには、自分は何に興味があるのか、何が好きで、どんな未来を目指したいのか、ひたすら思考し行動することが必要となる。そもそも思考というのは、生物学的には多くのエネルギーを消費する行為である。エネルギー効率を考えれば、生物は極力思考をしないことを無意識に選択する。
しかし、利己的な遺伝子にとらわれて思考を停止してしまうと、利己的な本能のままに争いは絶えず、貧富の格差は広がり貧困問題は悪化、人類の都合を優先するままに地球環境も悪化し、多くの問題は問題のまま放置され悪循環に陥る。

何も行動をしなければ何も起こらないのではなく、秩序を失う方向に進む。そうではなく、私たちが持つ利己的な遺伝子の性質を知り、それに抗って考え、行動していくことこそが、地球や宇宙を含めた私たちの世界をより良いものにするための希望となる。