部下からも会社からも信頼される 中間管理職の教科書

発刊
2016年9月27日
ページ数
256ページ
読了目安
302分
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推薦者

信頼されるリーダーになるためにはどうすればいいのか
会社からも部下からも信頼されるリーダーになるための教科書。部下をうまく動かすポイントが紹介されています。

リーダーとして心得ておくべき3つのポイント

①自分の考えを言う前に、部下が考えていることを聞く
部下から提案が出てきたら、まずは内容を聞き、「確かに、これをやったら効果が出るよね」と返す。その次に、提案してきた部下に相談する。部下の話をただ聞くだけではなく、受け入れる姿勢で聞くということが大事なポイントである。

②結果だけを見ない
どんなこともその結果に至るプロセスがある。日々の部下の行動を見ている上司にも責任がある。「できた?」「なんでできなかった」だけでは、部下から見ると「私だけの責任にしている」となる。結果が出なかった理由には原因がある。課題に取り組む過程や、部下のモチベーションにも着目し、達成に向けて支援する責任が上司にはある。

③会社がやってほしいことを実行する
部下の力を100%以上発揮してもらうために「会社がやってほしいこと」に「個人のやりたいこと」を重ねる。「会社がやってほしいこと」を伝え、部下が何をやりたくて会社に入ってきたのかを聞いて、部下とよく話し合うこと。

部下のやる気を引き出す育て方

①部下を主役にする
部下が主役になって課題に取り組める環境を作ることが、上司の重要な役割である。

②「仕事に厳しく、人に優しく」で育てる
教育や環境づくりもせずに「なぜ、言われたことができないのか」と厳しく指摘すれば、部下はやる気をなくすのは当たり前。指示したことができるように教育し、できなかった時には曖昧にしないで、時には厳しく指導する。「仕事に厳しく、人に優しい」とは、むやみに褒めたり、感情的に叱ったりすることではない。できていないことを曖昧にしないで、真正面から向き合い、一緒に考えることが「仕事に厳しく」、そして、できない理由や苦手な部分を改善できるように協力することが「人に優しく」である。このバランスが大事である。

③「やらせる側」と「やる側」の関係を作らない
人は自分で目的を持つと進んで動くが、目的もわからず、ただ「やれ」と言われることには抵抗を感じる。部下に「1日10社訪問しなさい」と指示する時も、何のために訪問するのか目的だけを伝えて、訪問の仕方は部下に任せると、やる気を高めることができる。つまり、課長と部下はやらせる側、部下はやらされる側の関係を作らない方が、考える力が身につく。

④「やってみせる」は万能ではない
「やってみせる」では部下は動かない時もある。やってみせても「それは課長だから、できたんでしょ」と自分がやれない理由にされてしまう。やれない原因に目を向ければ、上司のやるべきことは変わってくる。

⑤途中のフォローを大事にする
部下に任せる時には「途中経過を必ず報告すること」と部下に指示して任せること。仕事を渡す時に、期限まで一度の報告も相談もしないで、結果が最悪だったということにならないように指示しておけば、安心して任せることができる。上司は席にいないことも多く、いちいち報告するのは面倒だと思いがちである。各メンバーが担当している課題の進捗報告会を定期的に開いたり、上司から「どうなってる?」と日常的に声掛けをすること。

⑥できないことではなく、できない環境に目を向ける
できない理由には、その人の経験不足やスキル不足といったこともあるが、もう1つ、取り巻く環境にも原因がある。その環境は、上司が解決してあげる必要がある場合がある。

⑦できないことを責めないで一緒に考える
部下が成長し成果を出し続けるには「なぜできないか」と責めるのではなく、一緒に考えることが大事である。責めれば責めるほど萎縮し、できないことは自分の責任と考えるばかりになる。

⑧部下の考えやアイデアを引き出すためには呼び水を使う
上司から「例えば、こんな考えやアイデアがあるよ」と出してあげると、それが呼び水になって部下から意見やアイデアが出やすくなる。