折れる力 流されたほうがうまくいく

発刊
2016年12月6日
ページ数
192ページ
読了目安
196分
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NHKのヒットメーカーによる仕事論
「あまちゃん」「サラリーマンNEO」「となりのシムラ」などを手がけたNHKのプロデューサーの仕事論。どのようにすれば仕事がうまくいくのかを紹介しています。

「折れない人」とは

①自分のやり方・考え・企画などにこだわる人
②自分の成功体験から離れられず、いつまでもそれを繰り返す人
③自分の理想だけを追う挙句、人が離れていくリーダー
④「わからない」と言えない人

「折れる」ことは、「自分を変える」ためのはじめの一歩である。折れることを積み重ねていくと、いつしかふと振り返れば、周りの環境や人間関係が好転していることに気づくはずである。そして自分を見つめてみると、自分の人としての器が大きくなったり、人間としての幅が広くなったりと、自分でも変化に驚くはずである。

「環境」に折れる

「ま、いっか」というのは、理想を求める人にとっては「あきらめ」という風にとられるかもしれない。でも、これは「あっ、こういう方向もあるか」とか「あ、ここはこんな感じかもなー」みたいな、ある程度、決断や価値に対して幅を持たせていることである。これぐらいの範囲に収まればいい、という幅があれば、あらゆる局面で、様々な人のアイデアや意見を受け入れられる。

「ま、いっか」と切り替えた瞬間に、自分の考えから離れて、別のアイデアを考え始める。すると、今まで1つの考えしかないと思っていたのに、違ったものが出てくる。「折られて」いって気づくのは、自分が考えていた「理想」や「正解」というのは、あまり意味がないということ。それよりも、何かアイデアを出してみて、それを折りながら、また折られながら、面白くなっていくプロセスを楽しむことが何よりも大切である。

「他人」に折れる

不思議なことに「自分が、自分が」と前に出て行けば行くほど、認められなくなる。他人の意見を取り入れれば入れるほど「個性がある」と言われる。そもそもずっと1人でやっていくには限界がある。アイデアも枯渇していく。人の考えを柔軟に取り入れていくのは、長い間、活躍するために必要なことである。

良い仕事をしたいなら、見栄とかプライドとか恥ずかしさを捨てて、自分の失敗を受け入れること。そういう丸裸な人間じゃないと、他人も言いづらい。本当に改善のための意見が欲しければ、自分で先に面白くないと言うべきである。

「自分」に折れる

次の何か新しいことができる人というのは、今までやってきたことを一度ゼロにできるかどうかというところにある。新しいことを始めるには、今までのことを一度捨てなければ、新しいものは自分に入ってこない。

「折れる」ことは、突き詰めていくと「自分」との関係にどう折れるか、というところへ行き着く。自分をどうコントロールするか。

自分に折れるためにお勧めなのは、いつもと違うことをしてみること。一週間の区切りでテーマを作って、強制的に自分に行動の変化を課す。慣れきった自分の習慣を変えて、自分に折れて、違うことをしてみる。これまで目にとまらなかったことに目がとまるようになり、気づかなかったことに気づくようになる。

人から勧められた本を読むとか、そんなことでもいい。今までの自分と違うことをやるのが、何かのチャンスにつながるかもしれない。