ビジネスエリートが実践している 異文化理解の全テクニック

発刊
2019年11月30日
ページ数
256ページ
読了目安
261分
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推薦者

外国人と仕事をする時に必要となる基本的な考え方
外国人と仕事をする時には、日本人と同じ考え方では通用しない。異文化を理解するための基本から、国ごとの文化の特徴や気をつけるべきことを紹介している一冊。グローバルで仕事をする時に必須となるコミュニケーションノウハウを簡潔に学ぶことができます。

異文化理解で最も大切なこと

異なる国同士の人々がコミュニケーションをとったり、共同で何かをなし遂げようとする時、互いの考え方や価値観の違いに直面して困惑したり、トラブルに巻き込まれたり、物事がうまく運ばなかったりするすることが往々に起こる。

各国とも様々な歴史的・宗教的・民族的・文化的背景を持っており、背景が違う以上、考え方や価値観が異なる。それを乗り越えるのが「異文化理解」の目的である。

異文化を理解する時、重要なのはどんなに相手の考え方や価値観が自分と違っていたとしても、その優劣を論じるのではなく、違いを率直に認めることである。

他国ではストレートに意思表示が必要

異文化を理解する上で、1つの指針となるのが「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」という考え方である。コンテクストとは、コミュニケーションをとる時に前提となる言語や価値観、考え方を意味する。つまり、ハイコンテクストとは、コンテクストの度合いが高いため、互いに多くを語らなくても、以心伝心で相手の意図を察してしまうことをいう。
一方、ローコンテクストとは、コンテクストの度合いが低いため、言語に強く依存しないとコミュニケーションが成り立ちにくいことをいう。

したがって、グローバルビジネスや異文化に属する人々同士のコミュニケーションにおいては、ハイコンテクストの状態は期待できないため、5W1H(誰が、何を、なぜ、いつ、どこで、どのように)を明らかにして説明したり、イエス・ノーの意思表示をはっきり伝える必要がある。

一般に日本をはじめとするアジアの国々の多くはハイコンテクスト文化、欧米諸国はローコンテクスト文化に属する。日本はハイコンテクスト文化に属する国の中で最もその傾向が強い。したがって、世界的には日本と同じハイコンテクスト文化に属するとされる中国も、日本人から見ればローコンテクストの国であり、日本人的な「以心伝心」は通用しない。

意見を述べることに価値がある

会議で何も発言しない日本人は、特にローコンテクスト文化に属する欧米人からすると何を考えているかわからない「謎の人間」と思われる。場合によっては、仕事への意欲がないか、自分の意見を持たない無能な人間と誤解される。

欧米人は、会議の参加者全員に対し、会議の進行に何らかの付加価値を与えることを求める。付加価値を与えることのできない参加者は、次回から参加資格を剥奪されても仕方ない。

会議では議題ごとに様々な意見が飛び交う。議論は尽きることがないため、意見が集約しない場合も多い。会議の生産性を高めるためには、事前に議題を決めて参加者に事前に通知しておくことが必須である。

すぐに返信せよ

海外のビジネスパーソンの多くは、まず速攻でメールを受け取ったことを返信する。その際、内容について不明な点があれば確認する。そして、状況について都度報告する。

ところが、日本人の場合、返信する前にまず相手の依頼内容を完璧に把握しようとする。次に周辺の状況を調べ、方向性を見出し、自分自身の納得のいく回答を用意しようとする。場合によってはかなりの時間がかかる。

日本企業が意思決定が遅いのは、組織体制の問題もある。7割程度のできでもまず市場に出してフィードバックを得ながら改善していくという、外国人スタイルを日本企業も必要に応じて導入する必要がある。

参考文献・紹介書籍