Google流 資料作成術

発刊
2017年2月16日
ページ数
269ページ
読了目安
416分
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Google流の伝わる資料を作成する秘訣
Googleで「ビジュアライゼーション」の講座を担当してきた著者が、伝わる資料を作成する秘訣を紹介している一冊。資料をわかりやすくするためのコツが説明されています。

まずコンテキストを理解する

データをうまくビジュアル化する秘訣は、いきなりデータにふれないことである。データで作業を始める前に、まずコミュニケーションをとることになったコンテキスト(文章・背景)を理解する必要があるからである。

分析した結果を相手に伝える時には、発見した1つか2つの重要なことを、相手に具体的に説明し、ストーリーを伝える。データをグラフにしたり、コンテンツを作ったりする前に、明確にしておきたいことがある。1つ目は「誰に伝えるのか」、2つ目は「相手に知ってもらいたい、またはやってもらいたいことは何か」についてである。相手にどのように行動してもらいたいかを明確にした上で、伝え方を決める。この2つの質問に答えることができて初めて3つ目の質問の準備が整う。つまり「主張を伝えるために、どのようにデータを活用するか」について考えることができる。

内容を作り込む前に何を伝えたいのか簡潔にまとめておくと、無駄な作業がなくなり、資料の内容は確実に目的に合ったものになる。

相手に伝わりやすい表現を選ぶ

①単純なテキスト
1つか2つの数字を相手に伝えれば良い時には、単純なテキストが優れたビジュアル表現になる。数字をそのまま使い、それをできるだけ目立たせる。そして、ポイントを説明する簡潔な文章を添える。

②表
表は、異なる興味を持った人たちが、それぞれ自分の興味があるところを見るのに適している。表を作る時には、データを主役にすること。太い罫線や色使いのせいで、相手の注意をそらさないようにする。代わりに、薄い色の罫線もしくは真っ白の背景に、それぞれの要素を適度な間隔で配置すると良い。

③ヒートマップ(色分け図)
ヒートマップは、表形式でデータを示しつつ、数字の相対的な重要さをセルの色を変えることで表わす。色の濃淡を使えば、重要なポイントをすぐに発見できるようになる。

④グラフ
グラフは点グラフ、線グラフ、棒グラフ、面積グラフの4つを抑えば十分。使わない方が良いグラフは、円グラフ、ドーナツグラフ、3D、第2縦軸など。人間の目は、2次元空間に定量的な値を関連づけて読み取ることが得意ではない。つまり、円グラフは読みにくい。

不必要な要素を取り除く

資料を作成する時に、何もないコンピュータの画面に要素を1つ加えるごとに、相手に理解するための認知的負荷を与えることになる。重要な情報を伝わりにくくさせる要素や資料にのせるに値しない要素は取り除く。どれが伝えたい情報かを識別するためには、次の6つの法則が参考にる。

①近接
人は、物理的に近くにあるものを、同じグループに属するものとして捉える傾向がある。

②類似
類似の色、形状、サイズ、向きを持つもの同士を、同じグループとして捉える。

③囲み
人は物理的に一緒に囲まれているものを同じグループとみなす。

④閉合
個々の集合体を既に知っているわかりやい形として捉えようとする。もし全体の一部が欠けていたとしても、目は勝手にその差を埋めようとする。

⑤連続性
あるものを見た時に、人の目は最も自然な形を追求し、それが明らかに存在しない場合でも、勝手に連続性を作り出す。

⑥接続
線などで物理的につなげられているオブジェクト同士を同じグループの一部とみなす。

要素を「整列」させ、「ホワイトスペース」を残すことで、より見やすく、より理解しやすい図表になる。戦略的にコントラストを使うこと。

相手の注意をひきつける

何が重要かを知らせるために、サイズ、色、配置などの無意識的視覚情報を活用すれば、重要な情報を読み取りやすくなる。相手に見て欲しいところにこの戦略を活用し、注意を集める。また、視覚的な優先順位を作る。