THIS IS MARKETING ディスイズマーケティング 市場を動かす

発刊
2020年7月22日
ページ数
328ページ
読了目安
421分
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一冊で学べるマーケティングの基本講座
広告やSNSによって顧客に押し売りするのではなく、特定の顧客に向けて、顧客が求めるものを提供する正しいマーケティグのあり方を説く一冊。キャズムやポジショニング戦略、ロングテールなど、マーケティングの基本的な知識がまとまっています。

顧客とのつながりをつくれ

長い間、企業が社会に大きな変化をもたらす手法はシンプルだった。広告にお金をかけることだ。広告は効果的なわりに安上がりで、必ずもとが取れた。しかし、その時代は終わった。これからは広告をつくるのではなく、自分で「マーケティング」をしなければならない。そのためには、自分以外の人と同じ目線で物事を見て、緊張を生み、トライブ(同じ目的意識を持つ仲間)と協力しあい、広まりやすい形でアイデアをつくらなければならない。

 

成功するマーケティングは、顧客の世界観と求めるものを理解し、顧客とつながりをつくる。だから、自社のプロダクトやサービスがなくなれば顧客を不自由に感じさせ、信用してくれる顧客に期待以上のものをもたらすことに力を注ごう。消費者に強引な営業をし、無理やり注意を向けさせるのはやめよう。一般的な人に一般的な商品を売るために、お金で消費者の関心を買う短絡的なやり方は時代にそぐわない。

 

マーケティングの5つのステップ

①価値のあるものをつくること。それも誰かに伝える価値のあるストーリーを備え、伝える価値のある社会貢献ができるもの。

 

②少数の人が恩恵を受け、その人たちが気に入る設計や構築を行うこと。

 

③プロダクトやサービスと、ごく小さなグループ、つまり最も小さくて成長する市場の夢とマッチするストーリーを語ること。

 

④みんなにワクワクしてもらうこと。その結果、情報が広まる。

 

⑤何年間も注目を集め、変化を起こしながら自身を体系化し、導き、築いていくこと。顧客にフォローアップする許可をもらい、自分の考えを教えるために熱狂を起こす。

 

マーケティングは、「何をどうするか」から始まり、モノができて出荷された後に始まるものではない。変化を起こしたいのなら「文化」をつくるところから始めることだ。結束の強い仲間とグループをつくり、人に共感してもらうことだ。

そのためには、ストーリーを語ることだ。人に共感を与え、長年語り続けられるストーリーを語ろう。「体験をする」という行為もストーリーの一部になる。プロダクトを使い、サービスを施す。寄付をし、集会に参加し、カスタマーサービスに連絡をする。それぞれの行為が少しずつつながりを築いていく。マーケターがこれをわざとやることで、意図的に同じ体験を提供できる。

 

マーケティングにおいて、間違いを犯しやすい考え方

①消費者はたくさんの情報から、合理的で、長期的な視点で物事を決めるに違いない。

②世の中の人は自分と似ていて、自分が知っていることは他の人も知っている、自分が欲しいものは他の人も欲しがっているに違いない。

 

消費者はあなたが信じていることを信じていない。あなたが知っていることを知らないし、あなたが望むものを欲しがっていない。だが、これは紛れもない真実なのに、受け入れられない。

 

成長しそうな最小の市場を見つけよ

すべての人を変えることはできない。1人ひとり違いすぎるし、途方もない数だ。それに、すべての人はマーケターが何を変えようとしているかに興味がない。だから、特定の誰かを変える必要がある。変えられるのが、30人しかいなくても、3000人であっても、どんな人たちにするかは決めた方がいい。人数に制限があるのであれば、その市場をどんな人たちで構成するかに意識を向ける。

 

伸びそうな最小の市場にターゲットを定めれば、ビジネスは成長する。その市場の中で注目してくれるのを待っている「端っこ(エクストリーム)にいる人たち」を見つけよう。エクストリームが見つかれば、そこで彼らの求める完璧な答えになれるポジションを探す。そして、そのグループの欲求や夢や望みを、思いやりと関心、集中力でもって叶えてあげること。変化を起こすのだ。