営業とは道である。 本物の営業マンを目指すあなたへ

発刊
2017年6月2日
ページ数
240ページ
読了目安
252分
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推薦者

営業の本質とは何か
営業の本質とは何か。リクルート、ソニー生命のトップセールスマンであった著者が、営業とは何か、営業マンにとって最も大切なことは何かを説いている一冊。

営業の極意は「最後の90cm」にある

営業マンは、実際に直接、顧客と接触する人である。顧客との「最後の90cm」の距離にいるのが営業マン。本来であれば、営業マンこそが一番新鮮で、正しい顧客情報を持っている。企業と顧客が接する一番先端にいて、なおかつそこで情報を間違えると会社の方向性すら間違ってしまうという情報源、アンテナである。会社にとっては一番大切な部分である。

営業マンが得るべき情報で大切なのは、顧客が潜在的に抱えている情報である。これをいかに引き出すかが大事である。「うちはいりません」と言った時の顧客の表情はどうだったか、どんな口調だったか。即座に断られたのか、よくよく考えた上で断られたのか。そうした反応の1つ1つにも、営業マンはアンテナを張らなければならない。そういう情報を引っ張ってくると、それまでに見えなかった顧客の心理が見えてくる。営業マンの質によって売り上げが変わるということは、こうしたアンテナを張っているかどうかである。

潜在化されている顧客の情報を引き出す

「買わない理由」を明確にして、それを1つずつ解決していくと、顧客にとっても「買わない理由」がなくなる。営業の本質の1つは、顧客と「最後の90cm」で接する人間であるからこそ得られる、95%の潜在意識をいかにキャッチしてくるかである。

潜在意識にこそ、ヒントがたくさんある。それを引き出すのが営業である。多くの営業マンは、5%の顕在意識だけを拾っている。さらに言えば、結果だけ、◯か×かの話だけをしている。営業が目をつけるべきは、95%の潜在意識である。

顧客の「現実と理想のギャップ」を見つける

「買わない理由」が明確になったら、次に「どうすればそれが欲しくなるのか」を真剣に考えてもらう。営業マンが考えるのではなく、顧客に考えてもらうのである。普通は「別にうちは今困っていないから」と断られる。「では、他社との付き合いがあるのだとしたら、本当に100%満足していますか?」と問いかけるのである。「もしかしたら99%じゃありませんか?」「その残り1%、あるいは5%の改善点、もっとこうなったらいいなということを聞かせてもらえませんか?」と聞いてみる。その顧客がどこの会社と付き合っていようと、100%の満足は絶対ありえない。全体に不満はあるはずだという前提で、それを真剣に聞くのである。

人生において、課題や問題がない状態はありえない。現状が満足だと感じていたとしても、その先には必ずもっといい理想がある。その間には必ずギャップがあるはずである。そのギャップを言葉にすると、問題や、付加価値になる。もしギャップがないというのであれば、それは営業マンに期待していないということである。ギャップとは期待でもある。期待がない人生、ビジネスの付き合いはありえない。

モチベーションを維持する

営業マンにとって、何よりも大事なことは、モチベーションを保つことである。スキルやテクニックは学べるが、モチベーションが下がってしまうとどうしようもない。営業はモチベーションが下がりやすい職種である。相手に断られると、自分自身を否定されたように感じる人が多いように、心の状態に左右されやすいのである。

モチベーションを高く維持するには、「できない理由」を書いてみるという方法がある。目の前の課題を解決できない理由を書き出してみる。それに対して1つずつ「本当?」と自分で問うのである。「じゃあどうすればそれを解消できる?」と1つ1つ潰していく。すると、案外「できない理由」が残らなかったりする。