GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代

発刊
2014年1月10日
ページ数
382ページ
読了目安
577分
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人に与える人が成功する
ペンシルバニア大学ウォートン校の組織心理学教授が、ギブ・アンド・テイクではなく、「与える人」が成功するという研究を紹介しています。

誰が成功のハシゴをのぼるのか

成功とは、人とどのように「ギブ・アンド・テイク」するかに大きく左右される。相手からできるだけ多く価値あるものを受け取るべきか、それとも見返りを気にせず価値あるものを与えるべきか。ギブ・アンド・テイクの関係において、どのくらい与え、どのくらい受け取るのが望ましいと考えるかは、人によって全く異なる。相互関係には、基本的に3タイプがある。

①テイカー
常に与えるより多くを受け取ろうとする。相手の必要性よりも自分の利益を優先する。

②ギバー
受け取る以上に与えようとする。他人を中心に考え、相手が何を求めているかに注意を払う。

③マッチャー
与える事と受け取る事のバランスをとろうとする。人を助ける時は、見返りを求める事でギブとテイクを五分五分に保つ。

調査によれば、成功からほど遠い位置にいるのは、ほとんどがギバーだ。それは、自分の成功を犠牲にして、相手の利益を優先しているからである。ところが最も成功している人もギバーなのである。ギバーは成功への階段の一番下だけでなく、一番上も占めているのだ。

与える人が成功する

ギバーは「お人好しで、他人にいいように使われる人」と思われがちだが、実は意外にも成功者が多い。ギバーは成功から価値を得るだけでなく、価値も生み出す。それがテイカーやマッチャーと違っているのだ。成功しているギバーは、4つの重要な分野で、独自のコミュニケーション法を用いる。

①人脈づくり
テイカーとマッチャーがつながりを作る時は、近い将来、自分を助けてくれそうな人に的を絞る。これは効果的な基準だが、マイナス面が2つある。第一は、受け取る側が、自分が操作されているように感じること。第二が、助けてくれそうな人にだけ与えるために、ネットワークが非常に狭いものになる事だ。

一方、ギバーのアプローチは広範囲に及び、たとえ利益を求めていなくても、利益がもたらされる可能性は高くなる。そして、ギバーが最終的に成功する事になる大きな理由が「リコネクト」だ。休眠状態のつながりは、より多くの新しい情報をもたらす。しかし、テイカーやマッチャーにとっては、休眠状態のつながりに最接続する事が難しいのである。

②協力
テイカーは、自分が他の人より優れていて、別格の存在だと考える傾向がある。だから他人に頼り過ぎると、守りが甘くなってライバルに潰されてしまうと思う。一方、ギバーは、頼り合う事は強さの源であり、多くの人々のスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考える。成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイを大きくする。

③人に対する評価
テイカーは他の人の意図を常に疑ってかかるので、自分に害を与えないか、絶えず警戒している。こうした人の可能性を信じようとしない態度は、悪循環を生み、同僚や部下のやる気と成長を妨げる。ギバーは、他人の意図を疑わず、楽観的に解釈するので、すべての人の中に可能性を見出そうとする。

④影響力
人に影響を与えるための2つの基本的なアプローチは、優位と信望である。テイカーはできるだけ多くの価値を手に入れようと努力する中で、とにかく他人よりも勝ろうとする。優位を得る点ではギバーよりも優れているが、それはゼロサムゲームである。一方、ギバーはゆるい話し方をする事で、相手に「あなたの利益を一番に考えていますよ」とメッセージを伝え、信望を得る。

成功するには、与える事の強みを活かすだけではダメで、その落とし穴も避けなければならない。ギバーは自分の利益より他人の利益を優先する傾向があるので、つい自分自身の幸せを犠牲にして人を助け、燃え尽きる危険がある。成功するギバーは他者重視であるだけでなく、利己的でもある。受け取るより多くを与えても、決して自分の利益は見失わず、それを指針に「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決める。