未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる

発刊
2013年6月12日
ページ数
223ページ
読了目安
272分
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今の仕事、今の職場で70歳まで働けますか?
人気ブロガーちきりんが、働く環境が大きく変化しつつある時代に、必要な考え方を紹介。無思考に現在の働き方を続けて、老後の生活資金を貯める発想では、今後やっていけないと指摘。新しいキャリアを考えるきっかけを提示しています。

70歳まで今の職場、今の仕事を続けられるのか?

今30歳未満の人たちに関しては、年金は70歳を超えてからの受給となる可能性が濃厚であり、さらに若い今の小学生などは、70歳を超えてもまだ働かねばならないかもしれない。

これまでは定年を区切りとして「働く人生」と「引退後の人生」のバランスがとれていた。前半は仕事や家事・育児を中心とした多忙な人生、後半は個人生活を優先する、ゆっくり&ゆったりした人生だ。しかし70歳がその区切りになれば、引退後の人生は男性で10年弱、女性でも16年弱になる一方、働く期間は大卒でも47年となる。年金の支給開始年齢が70歳まで延長された時、本当にその年齢まで、今の職場で今の仕事を続けたいと思うか?

働く環境が変化する

最近は、3つの革命的変化が、日本人の働き方に大きな影響を与え始めている。

①IT革命(大組織→個人)
②グローバリゼーション(先進国→新興国)
③人生の長期化(ストック→フロー)

寿命100年は決してありえない未来ではない。寿命が100歳となる時代には、65歳の一律定年など不可能で、みんな80歳くらいまでは働かないと、個人の生活も社会も立ち行かなくなる。そんな時代には、一生の内に1つの職業しか経験しないなどという人は珍しくなる。

ストック型からフロー型へ

今の社会では、貯金や肩書き、ネットワークなどストックをたくさん持っている人ほど豊かに暮らせる。老後の不安を和らげるために、ストックは多ければ多いほど良いと考え、相当の貯金があるのに、さらにお金を貯めようとしている人もたくさんいる。

しかし、人生100年の時代になれば、ストックが多い事より、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要になる。人もお金も、ストックは減っていくだけなので、「持っているもの」に頼るだけでは不安が解消できず、ある時点から孤独な生活に突入してしまう。

職業人生は2回ある

特にこれから40代を迎える世代にとって、このまま歩き続けるのは、あまりにリスキーだ。提案したいのは、最初から「職業人生は2回ある」という発想をすること。職業人生の前半と後半で異なる働き方をするのだと考えれば、働くスタイルや職業の選び方が今までとは大きく異なってくる。

大事な事は、生き方や働き方の選び直しについて、頭ごなしに「お金がないと無理」と決めつけないこと。そして、どんどん延びる定年まで無思考に今の働き方を続けるのではなく、まだこれからという40代のタイミングで、自分の意思をもって次の働き方を設計する事である。「十分なお金が貯まるまで働こう」と考えるのではなく、「元気な限り稼げる態勢を、一定年齢を目処に整えよう」と考える方が、よほど現実的である。

オリジナルの人生を設計する3ステップ

①手に入れたい人生を明確にする
自分のやりたい事が明確になれば、世間の常識に自分を合わせる必要がなくなり、楽になる。多くの人がお金のない人生を不安に思うが、それよりもつらいのは、やりたい事の見つからない人生だ。

②複数の将来シナリオを持つ
キャリア形成とは先行きの選択肢を複数考え、自分が進む道を意識的に選び、その道でやっていくために必要な知識やスキル、経験をどう身に付けていくのか、自分で設計し実現していく事だ。

③市場で稼ぐ力をつける
市場から稼ぐ力がないと、せっかく将来を見据えて複数のシナリオを考えても、組織に守ってもらう以外の選択肢を選ぶ事ができない。できるだけ積極的に、市場で稼ぐ経験を積もう。