スタンフォードの教授が教える 職場のアホと戦わない技術

発刊
2018年5月19日
ページ数
216ページ
読了目安
209分
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無駄なエネルギーを使わない
スタンフォード大学教授が、組織行動論・組織管理論をベースとして、職場にいるアホへの対処法を紹介している一冊。

アホは他人のパフォーマンスを下げる

平気で人をおとしめ、憂鬱な気分を蔓延させ、私たちの気力を奪うヤツら。そんな「アホ」たちとどう付き合えば、心穏やかに暮らせるのか。

アホが組織にもたらすダメージは大きい。これは多くの研究によって証明されている。人格を傷つけられ、おとしめられた人は、仕事にも悪影響が出る。ひどいヤツが1人いるだけで、周りの人の業績は落ち、決断力や生産性、創造性がむしばまれる。困難な仕事に挑戦する気力も意欲もそがれてしまい、困っている同僚がいても、アドバイスをしたり励ましたりしなくなる。

性悪な人間が上司だと、チーム内の信頼関係がなくなり、モチベーションが低下し、積極的な提言が少なくなる。無駄遣いや職場の備品をくすねることが増え、欠勤が多くなる。不機嫌な気分も蔓延する。というのは、人をゴミ扱いする態度は伝染しやすいからだ。研究によれば、部下を虐げる管理職は、全米の企業全体で年に238億ドルもの損失を出している。

アホとは戦うな「逃げろ」

アホを前にした時、人はまず断固逃げるべきだ。アホの問題がかなり深刻で苦しんでいても、多くの人はそれほど酷くないと思い込み、早く逃げることの大切さに気がつけないでいる。それは「慣れ」と「ごまかし」があるせいだ。

できれば過激な逃げ方はやめた方がいい。辞表を叩きつけたり仕返ししたりするのは想像するだけなら楽しいが、本当に実行してしまうと、ひどいことをした自分を後悔する。何より、それまで良好だった人たちとの関係まで、自分から断ち切ってしまうことになる。その後、アホなヤツが報復に走る危険もある。できるだけ穏便な形で逃げた方がいい。

アホを避けるための9つのヒント

①距離をとる
嫌なヤツを別のフロアやビルへ移せばせいせいできる。それが無理ならせめて数メートル離れた席に座る。

②同席する時は離れた場所に座る
テーブルの同じ側のできるだけ離れた席に座るなど、目が合いにくい場所を選ぶのもいい。

③なるべく顔を合わさない
多少ずるい手を使ってでも、アホなヤツとは顔を合わさないようにする。会議やパーティーは途中で退席してもいいし、遅刻してもいい。

④反応しない
アホはあなたが反応すると喜びを感じる。だから、不愉快なメールや電話が来てもすぐに反応せず、時間をおいてから簡潔に返事する。

⑤目立たないようにする
無視されて苦しいなら、自分からコミュニケーションを求めないようにしてみる。できるだけ発言を控えて周りに溶け込む。

⑥盾になってくれる人を探す
アホなヤツから守ってくれる上の人間を探す。

⑦同僚とタッグを組む
みんなで順番に嫌なヤツの相手をすることを考える。

⑧避難場所を作る
避難場所を作るようにして、気持ちを立て直す。近くの喫茶店や公園だけでなく、オフィスの廊下や給湯室なども避難場所になる。

⑨アホの襲来を知らせ合う
電話やメール、SNSを慎重に使って、嫌なヤツの接近を知らせ合う。

アホに反撃する

①ウィスパー作戦
誰かが困ったことをしていたら、冷静かつ穏やかにそっと諭す。これは「一時的なアホ」の場合や、相手より力が上の場合にうまくいく。

②ヤマアラシ作戦
ある種の自己中心的なヤツに対しては、ガツンと反撃に出た方がいいこともある。それは「自分の目的を達成するためなら平気で他人を利用し、踏みつけにするタイプ」が相手の時だ。

③レタス作戦
嫌なことを言われたら「あなたって、ちゃんとしてる時はいい人よね」とか、「誰にでもそんなことを言うの? それとも私が素敵だから特別扱い?」とにこやかに返す。

④ヨイショ作戦
嫌なヤツでもおだてて笑顔を向けておけば、ひとまず八つ当たりされずにすむ。その裏で反撃準備を整える。