しくじり企業も復活する7つの大原則

発刊
2018年10月22日
ページ数
215ページ
読了目安
219分
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推薦者

ランチェスター戦略でビジネスを成功させる方法
ランチェスター戦略の専門家が、様々な企業の事例を解説しながら、ビジネスを成功させるための7つの原則を紹介している一冊。

孫子の兵法 × ランチェスター法則

成功している企業の戦略やその要因をひも解いていくと、実は「孫子の兵法」や「ランチェスター法則」でほぼ説明ができる。それは「孫子の兵法」は負けないための原理原則であり、「ランチェスター法則」は勝つための法則だからである。

この2つからビジネスを成功させる上で必要とされる考え方をまとめたものが「7つの原則」である。これらを実践すれば、必ず成功する。

ランチェスター法則

第一原則(局地戦・一騎打ち・接近戦)
戦闘力=武器性能×兵力数

第二原則(広域戦・確率戦・遠隔戦)
戦闘力=武器性能×兵力数の2乗

兵力数が多いものは第二法則で戦うことによって、圧倒的に有利な状況をつくり、確実な勝利をものにする。兵力数の少ないものは、第一法則で戦い、同時に武器効率を高め、そこに兵力を集中する。これが勝つための法則である。

ビジネスを成功させる7つの原則

①重点化の原則:ここで勝つという場を決める
まずビジネスを展開する市場を定めるところから始める。まずはどこで勝つのかを決める。その際の選定のポイントは、まずは自社が得意な領域・分野は何か、競合があまり多くない市場はどこかを検討する。

②集中化の原則:資源を一点集中させる
市場を特定したら、そこに自社の持つ資源を集中させる。今まで分散していた資源(ヒト・モノ・カネ・時間など)をすべてここを最優先にし、集中させる。リソースの乏しい企業であれば、手を広げず、1つの市場に資源を集中させることで、そこにおける質的要素を高めることが必須となる。

③顧客ファーストの原則:何をおいても顧客視点
敵を知り、己を知り、顧客を知らなければならない。つまり、3C(自社、競合、市場)の視点がないと勝てない。たとえ競合より優れていたとしても、顧客に支持されなくては、商品は売れていかない。そのため顧客の声に耳を傾け、何が求められているのか、そのニーズにしっかり応えていかなくてはならない。

④スピード力の原則:常に早いものが勝つ
ビジネスもスピードが勝敗を決める重要なポイントになる。とにかく速さ、スピード感というものがある会社が、大抵勝っている。時代の変化に速やかに対応できたものは生き残り、タイミングを逸してしまったものは、やがて消えていく。

⑤自前主義の原則:主導権を握るものが勝つ
基本的には生産から販売までを一気通貫に行っていくのが自前主義である。やはりビジネスを展開する上では自社ですべてをコントロールできることは強みといえる。ビジネスは主導権を握ったものが有利にものごとを運ぶことができる。下請け体質では、常に発注先の条件や状況に振り回されてしまう。多少時間がかかったとしても、自社でコントロール可能な事業を構築することが大切である。

⑥情報発信力の原則:情報を制するものが市場を制する
本来、量的リソースが乏しい会社は、その量的要素を分散させず、狭い領域に集中させることで高めていくことが求められる。その量的要素とは、これまでは自社が抱える資源のみに限定されていた。しかし、近年のソーシャルメディアなどを活用したマーケティング戦略を応用すると、自社を宣伝してくれる熱烈なファンなども、この資源に加えられるという捉え方が可能となった。

⑦人財力の原則:「人」こそ最大の差別化なり
人こそが、その会社にとって最大の差別化の武器になる。どんなに優れた商品やサービスがあったとしても、どんなに素晴らしい戦略を描いたとしても、実際にそれを提供する、実践する人がいなくては話にならない。本当に伸びていく会社は、人材教育に対し、あらゆる投資を惜しまない。