CEOからDEOへ 「デザインするリーダー」になる方法

発刊
2014年9月22日
ページ数
319ページ
読了目安
568分
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これからの時代のリーダーのあり方
変化の激しい時代には、旧来型の経営手法では対応できない。デザイン思考を経営に取り入れ、様々な変化に対応するリーダーの特徴について、紹介している一冊。

CEOからDEOへ

常に変化する混沌としたビジネス環境では、会社や経営陣、とりわけCEOの従来の考え方が通用しなくなっている。私達は20世紀の理想的なCEOをイメージするのに、MBA取得者や軍の司令官からヒントを得た。そして、これからのリーダー「DEO(デザイン・エグゼクティブ・オフィサー)」は、広義でのデザイナーをお手本にする。

 

歴史を通じて、デザインはいろいろな「モノ」を変化させてきた。最近では、サービスやインタラクションを変化させた。将来的には会社や業界、国家を変化させる事になるだろう。こうした変化をもたらすデザインの力に気づき、その力を積極的に活かすリーダー達は、変化の時代でも舵取りができている。

デザインするリーダー達は、以前は価値のあったものが価値を失うような、変化の早い、予測不能な状況にうまく対処し、高い評価を得ている。そして、彼らには、それを可能にしている共通の特性、行動パターン、考え方がある。

 

DEOの6つの特徴

①変化を起こす
DEOは「変化」を奨励したり、自ら推進したりする。そして、信頼関係を築いているキーパーソン達からの協力を期待する。DEOは、変化を自分ではコントロールできない現象として経験する社員達がどんな気持ちになるかがよくわかっている。だから、彼らには明確なプランを示し、彼らからのフィードバックを受け入れる。

DEOの行動や計画の中心は、ビジョンや夢である。日々の現実に即したビジョンを設定し、その後データやフィードバックを集めてロードマップを補強する。自分の仕事がどんな影響をもたらしているかを知るために、偏りのない生の情報を集める。そうした情報を活かして、自らの軌道を修正する。

 

②リスクを冒す
有能なDEOは、行動を起こさない事の方がさらにリスクが高いと思っている。時にはリスクを冒せる事がDEOの唯一の競争上の強みになる事もある。DEOはリスクの影響やリスクを冒す最適のタイミングを把握する事に、時間を費やしている。経験を積む内に、リスクを正確に測る能力が高まり、リスクを冒した結果についての見積りも精度が高くなる。

DEOはリスクを「実験」と言い換える事で不安を和らげている。その上で、仮説をや枠組みをしっかり構築し、リスクを正確に評価しやすくする。結果が出たら、会社が何を学んだかを見極め、学んだ事を共有する。

 

③システム思考をする
システム思考では、目の前にある出来事を単体で捉えるのではなく、出来事が起きているパターンや、その構造、構造をつくり出しているメンタルモデル(先入観や価値観)を見て、最も効果的な働きかけをしようとする。

 

④直感力が高い
会社のトップを対象とした調査では、全体の62%がビジネス上の決断を下す時に直感力や第六感を信頼すると回答したという。有能なDEOは、直感力をうまく使って会社を前進させている。そして、積極的に反論を求める。直感と思えたものが、実は先入観や偏見に過ぎない事もある。DEOは試行錯誤を通じて、それを見分けられるようになっている。

 

⑤社会的知性が高い
DEOは、会社の成功に必要なのは、社員達と社員同士の強固で有意義なつながりだと考えている。「社会的知性」とは、複雑な人間関係や複雑な社会状況の中でうまくやっていく能力の事だ。社会的知性を備えるには、人間とはどういうものかを幅広く理解し、さらに自分をよく理解する必要がある。

 

⑥さっさとやる
DEOは、会社がマンネリ化するのを恐れているので「夢を見る」「計画する」「実行する」の3つのバランスを取る事を学んでいる。DEOは社員の仕事に関与して、完了させる事を強く求める。前に進む事を重視しているので、社員には情報がすべて出揃わなくても判断を下す事を強く求める。

参考文献・紹介書籍