デザインコンサルタントの仕事術

発刊
2014年11月5日
ページ数
256ページ
読了目安
313分
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破壊的アイデアを生み出す方法
世界的に著名なデザインファームfrogの破壊的アイデアを生み出す方法。デザイン思考によって、常識を破るアイデアを生み出すための方法論が紹介されています。

常識を破る5つのステップ

①破壊的仮説を立てる
・破壊したいと考えている業界やマーケット、カテゴリーの全体的な状況を定義する
・その状況の中で、生産者や消費者の思考に影響を及ぼしている前提や習慣を見つける
・常識をルービックキューブのようにひねり回し、新鮮な眼で精査する

 

②破壊的チャンスを見つける
・仮説に基づき、疑問に思う事をリストアップする
・ターゲットとなる層、潜在顧客を定義する
・その状況の中で製品やサービスを利用する人々を観察し、話を聞く
・長い間注目をあまり集めてこなかった、うっとうしい程度の問題を探す
・関連性のある観察結果をまとめ、鍵となるテーマを見つける
・洞察と仮説の組み合わせの中から、一番合ったものを見極める

 

③破壊的アイデアを生み出す
・アイデアづくりのため、破壊的チャンスをいくつかの部分に注目し、分割する
・それぞれの問いの答えを創造的に考え、できる限り多くのアイデアを生む
・最も大きな違いを生み、消費者や自社に最大の利点をもたらすアイデアを3つ選ぶ
・3つのアイデアにおいて、断片、利点を混ぜ合わせる
・アイデアに名前をつけ、価値を表現し、違いを言葉にし、視覚化する

 

④破壊的ソリューションを仕上げる
・リサーチ対象となる消費者を集め、ランク付け、改善アイデアをもらう
・消費者のフィードバックに基づき、改良を加える
・アイデアの大雑把なモデルを作り、視覚化する
・プロトタイプを作り、アイデアを洗練させていく

 

⑤破壊的プレゼンで売り込む
・聴衆に共感を覚えてもらう
・聴衆を驚かせ、引き込み、好奇心をかきたて、緊張感を生む
・聴衆に対し、ソリューションを明かし、その価値に対する信頼を得る

 

破壊的仮説を立てる

すべては突飛な疑問から始まる。破壊的仮説とは「◯◯したら、どうなるだろう?」の空欄を埋めたものだ。仮説は考え方を変えるため、あえて非合理に立てられる。破壊的仮説においては「充電すれば携帯が使えるようになる」などと合理的な予測を立てたりはしない。代わりに「そもそも携帯電話に電池が要らなかったらどうだろう?」と非合理な考えを生み出す。

 

①何を破壊したいのか?
自分が課題に取り組みたい業界やセグメント、カテゴリーの置かれている状況を明確に見定めなければならない。どうしたら、誰も予想しなかったソリューションで、その状況での勢力図を破壊する事ができるだろうか。

 

②何が常識か?
その業界において関係者がどのような前提(常識、信仰)から影響を受けているかを見つける。まずはインターネットで、その業界の直接の競合相手を探し、対象を絞る。そこでの常識リスト(製品、取引、価格の常識)を作る。

 

③破壊的仮説は何か?
既成概念を並べ上げたら、上下前後左右から常識を眺め、ひねっていかなければならない。ばらばらの部品を組み立て、新しいものの見方を生み出す方法を探す。「逆転できるものは何か」「否定できるものは何か」「どのようにもののスケールをアップ・ダウンできるか」

 

破壊的チャンスを見つける

洞察力があるかどうかは才能の問題ではない。意識の問題である。ビジネスに影響を受ける人々を取り巻く、文化的、社会的な構成物に注意を払う事である。洞察力を養い、チャンスを見つけ出すためには、消費者が実際に感じた事や動作を明らかにする決定的瞬間を捉える必要がある。

 

ほとんどのリサーチャーは「支障のある」大問題を見つける事に没頭するあまり、他のものを完全に無視してしまう。だが、小さくて、一見して支障のないところこそ、イノベーションの可能性が豊富に眠る領域である場合が非常に多い。問題と見なすには小さすぎるような、イライラが溜まっている点を探す。

①応急処置:一番目立つ症状を解決しただけで、本当の問題を解決していないもの
②価値観:消費者が求める価値と実際に手に入るものの差
③惰性:顧客が惰性にとらわれ、理想以下の場所に留まり続けているもの
④長期的利益と目先の欲求の対立:欲求と長期的利益の対立があるもの

 

破壊的アイデアを生み出す

まずは破壊的チャンスの文章にある領域の1つ「利点」に的を絞る。利点を分解し、その「すき間」について思い付く限りの問答をしていく。常識的思考を振り払うには、一見してわかりきった方法をすぐ受け入れるのではなく、別のアイデアを探すように習慣づける事が必要である。

 

アイデアを選び出し、その断片(製品、サービス、情報の要素)や利点を混ぜ合わせる。最後にそのアイデアを明文化する。