EQ 2.0 「心の知能指数」を高める66のテクニック

発刊
2019年2月25日
ページ数
269ページ
読了目安
264分
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EQを高めるための教科書
自分と他人の感情の動きに気づき、それをマネジメントする力「EQ」を向上させるためのテクニックを紹介している一冊。後天的に伸ばすことができるEQの説明と向上させる方法がわかります。

理性と感情のコミュニケーション

日々の生活の中で、感情をうまく扱うことは人間にとって非常に重要だ。というのも、脳は感情に支配されやすい構造になっているからだ。

EQの物理的な通り道の出発点になるのが脊髄だ。感覚はここから脳に入り、前頭葉に達した後に、理性的な思考が生まれる。だがその前に大脳辺縁系を通り、ここで人は情動を感じる。理性を司る前頭葉は、大脳辺縁系が感情を「感じて」しまうことを抑えられないが、理性と感情はお互いに影響し合い、常にコミュニケーションを取り合っている。この、脳の中の感情と理性のコミュニケーションから「EQ(心の知能指数)」が生み出される。EQの向上には脳内における感情と理性のスムーズなコミュニケーションが必要になる。

EQとは

EQとは自分自身と他者の心の動きに気づき、それを理解する力である。また、その気づきを使って自分の行動や人間関係を上手にマネジメントする力でもある。EQはどんな人の中にもあるが、目に見えにくい。EQの力が、行動をコントロールできるか、複雑な社会の中をうまく進めるか、賢い判断によって前向きな結果を出せるかを左右する。

EQは知性では測れない。認知的な知性(IQ)は先天的なもので変わらないが、EQは後天的に身につけられるスキルである。EQは、仕事の成功に大きく影響する。EQを高めることで、1つの方向に力を集中でき、最高の結果が生まれる。EQは、時間管理や意思決定、コミュニケーション力といったほとんどのスキルに含まれる。EQは、重要なスキルの土台になっている。

EQの4つのスキル

EQは4つのスキルが組み合わさって形成されている。

・個人的なスキル
①自己認識
その瞬間の自分の心の動きを正しく把握し、様々な状況での自分の傾向を理解する力。自分の傾向を正確に知っておくと、自分の心の動きがすぐに察知できるようになる。心の動きを本当に理解するためには、どこからその感情が生まれ、なぜそう感じるのかを時間をかけて考えなければならない。

②自己管理
心の動きを知ることによって、柔軟性を保ち行動を前向きな方向に変えられる能力。つまり、状況や人に対する感情的な反応をコントロールする力である。一時的な欲求を脇に置いて、いつも自分の傾向をコントロールできる人に成功は訪れる。

・社会的なスキル
③社会的認識
他者の感情を正確に読み取り、相手の心の中で何が起きているかを理解する力。社会的認知スキルがあれば、周囲への目配りと気配りができ、重要な情報を読み取ることが可能になる。社会的認知スキルを構成する最も重要な要素は、聞くことと観察することである。

④人間関係管理
自分と他人の感情を理解し、その理解を利用して人との関わり合いをうまくマネジメントする力。この力には、意図を明確に伝え、争いを上手に扱うスキルが必要になる。

EQを高めるためのテクニック

①自己認識
・自分の感情を「いい」か「悪い」かで見ない
・感情の波及効果を観察する
・自分の価値観に立ち返る

②自己管理
・正しく呼吸する
・感情と理性のリストを作る
・10まで数える

③社会的認識
・挨拶する時に相手の名前を呼ぶ
・正しいタイミングを見計らう
・他人の立場に立つ

④人間関係管理
・心を開いて好奇心を持つ
・自分なりの自然なコミュニケーションのスタイルを磨く
・相手を混乱させない