本気で社員を幸せにする会社 「あたらしい働き方」12のお手本

発刊
2019年4月20日
ページ数
240ページ
読了目安
276分
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新しい働き方はどのようにつくるのか
昨今のテーマとなっている「働き方」について、新しい取り組みを行なっている企業の事例をもとに紹介している一冊。どのようにすれば、社員が幸せになれる働き方をつくることができるのか参考になります。

仕事に対する意識の変化

今の経済状況や市場環境下では、会社は終身雇用や年功序列賃金制度を維持するのが難しくなっている。そのため、会社に人生を委ねることはリスクが高いという状況になっている。転職のチャンスも増えており、個人の会社への帰属意識が低下するのは当然の帰結だと言える。

一方、仕事を通じて社会に貢献したいと考える人たちが増えている。一般的な営利企業にも、世の中にとって価値のある商品やサービスを提供したいと考えている人は多い。「ご恩と奉公」の関係が成り立っていた時代には、社員は会社に認められていれば幸せになれたが、今は、自分が働いている会社はちゃんと世の中の役に立っているのか、ということが問題になる時代である。

働き方の自由度を高める原動力

一定のルールの中で出勤や退勤の時間をずらすことができるフレックスタイム制、自宅や外出先など働く場所の選択肢を増やすテレワークなど、日本では今、従業員の働き方の自由度を高めていこうという流れが加速している。その原動力は3つに分類される。

①流行に乗って
失敗に繋がりやすい。新しい制度を導入するなら、自社にとってなぜそれが必要なのかを考えて社員の共通認識にする必要がある。

②必要に迫られて
優秀な人材を引きつけるために会社の魅力の1つとして自由度の高い働き方を掲げ、必要な労働力を確保しようとしている。

③自由と自律がもたらす効果に期待して
最も成功に繋がりやすい。「仕事とは、みんなが決められた時間に一箇所に集まってするもの」という常識を疑い、もっと自由にした方が生産性も社員の幸福度も上がるのではないかとポジティブに捉えている。

自由な働き方をつくるために必要なこと

テレワークやフレックスタイム制など、新たな働き方の制度を導入する企業が増えている一方で、それらの効果は認めつつも「うちの会社ではできない」という声もよく聞く。できない理由として、特に管理職が抵抗する傾向にあり、部下の管理がうまくいかなくなることへの懸念がある。

「自由度の高い働き方」と「性善説」との相性が良いことは確かである。しかし、実は因果関係が逆で「性善説によるマネジメントができる組織だから、自由な働き方が成り立つ」というケースが多い。

結局、部下の自由度を上げることに対して消極的な管理職というのは、部下との関係に自信が持てていない。そういう状況で、無理にテレワークやフレックスタイム制などの制度を始めてもうまくいかない。その前に「性善説でマネジメント」ができる組織をつくる必要がある。

性善説でマネジメント、つまり「社員を信じて任せる」ことができる組織をつくるには、色々な方法がある。

①共に働く人を選ぶ
この人なら大丈夫という人に入社してもらう。

②競争心を煽らない
ズルをしたり必ずしも会社のためにならないことで点数稼ぎをするなど「競争で勝つ」という動機が、人間の善なる性質を曇らせてしまうこともある。

やりたいことを重視する

自らが選んだことを、自らの意思でやる、ということが充実感を与えてくれる。この「主体性を発揮する」ということが、組織の一員として働いていると少なくなりがちである。

最近では、自分の意志ややりたいことと会社の方向性がどれだけマッチするかを重視して職場を選ぶ人が増えている。「やりたいこと重視」で選んだ結果、あえて小さな会社に入るケースも少なくない。