既存の採用手法の制度疲労
現在、多くの企業が採用活動の際に使用するのは、リクナビやマイナビに代表される「就職ナビ」である。多額の掲載費用を「就職ナビ」に支払い、質を問わずに大量の母数を獲得し、長い時間と労力をかけた選考を行っていく。しかし、就職ナビを中心とする「大量にエントリー者を集める」採用活動は制度疲労を起こし始めた。
既存の採用活動が機能不全に陥った3つの理由
①経済成長の停滞による欲しい人材の変化今必要なのは、主体性を持って企業や業界にイノベーションを起こせる「少数」の人材である。新卒一括採用による大量生産が非効率となった。
②求職者側のニーズの多様化
就職ナビによる画一化された採用活動だけでは、求職者側のニーズも満たせず、結果として人材のミスマッチが増加した。
③ソーシャルメディアの進化
ソーシャルメディアによって、情報伝達手段が、企業から個人へトップダウン式に一方向に下りてくる時代でなくなった。
現在の採用活動のムダ
なぜあなたの会社には、求める人材が来ないのか。それは企業の魅力が足りない訳でも、採用基準が間違っている訳でもない。単純に、採用活動の方法に「ムダ」を抱え過ぎているからである。
①お金のムダ
「少数の人材」を求める厳選採用の時代になっているにもかかわらず、多額の掲載費が必要な就職ナビを使って、必要以上のエントリー数を獲得しようとしている。
②時間のムダ
必要以上のエントリー数からの選考により、企業の採用担当者にも、求職者にも、双方に莫大な時間を使わせてしまっている。
③ヒトのムダ
多額のお金と莫大な時間をかけて採用したにもかかわらず、うわべだけのマッチングにより、入社後のミスマッチがあとを絶たない。
つながり採用へ
ここ数年、ソーシャルメディアの特性を活かした、21世紀の「つながり採用」とでも呼ぶべき採用活動が急速に広がりを見せている。これは既存の採用活動の欠点を補完する可能性に溢れている。
採用活動のフェイスブックページを立ち上げ、情報が無限に拡散するソーシャルメディアのメリットを利用すれば、就職ナビに出稿するより低予算で採用活動を行う事ができる。「つながり採用」を企業に導入するレベルは3段階ある。
①就職ナビや自社サイトへの「導線」として、フェイスブックを活用する
採用広報の一環として、企業の情報を発信し、自社に親近感を持ってもらう。求職者は、就職ナビに掲載されている情報を補完するツールとして、応募の参考にする。あくまで素の企業カルチャーを理解してもらい、企業側と求職者側のミスマッチを減らす。
②就職ナビを併用しつつ、ソーシャルグラフを利用して、新しい縁故採用を行う
ソーシャルメディアのグループ機能を使って、コミュニケーションをはかり、内定者の入社までの期間のフォローを行ったり、ソーシャルメディアの情報やソーシャルグラフを利用したダイレクト・リクルーティングを行う。ソーシャルグラフを利用するために最も手っ取り早いのは「ウォンテッドリー」などのソーシャルメディアを活用した採用活動を支援するウェブサービスを使う事である。
③就職ナビから「つながり採用」やダイレクト・リクルーティングへ完全に移行する
就職ナビや人材紹介会社を介せず、直接的に人材にアプローチする。
就職ナビにのみに依存するのではなく、ソーシャルメディアを併用して、より広い層に情報を届ける工夫をすべきである。イノベーションを起こすためには「厳選採用」にシフトする必要があり、大人数を採用する事に適した就職ナビを利用するだけでは尖った人材に訴求できない。