人を自在に動かす 武器としての「韓非子」

発刊
2019年5月30日
ページ数
296ページ
読了目安
279分
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推薦者

人を動かす原理原則
人を動かす方法を書いた中国古典『韓非子』をわかりやすく紹介する一冊。2000年以上読み継がれ、かつて秦の始皇帝が参考にしたと言われる『韓非子』の真理が解説されています。

人を動かすための基本

『韓非子』は、2000年以上にわたり読み継がれている統治術の書である。韓非が指摘した人が動きたくなるチームの基本は「正しい行為にきちんと見返りを与える」リーダーがいることである。

正しい行いをすれば必ず褒美がもらえ、間違ったことは絶対に罰せられる。韓非は「これを正確に実行する組織では、人がきちんと動く」と指摘する。つまり、仕事に熱狂するチームの基本は、賞罰を明確にして実行するリーダーの存在である。

『韓非子』では、賞罰の公平感は最も重要視されている。賞罰が明確で人によって左右されないという感覚が、その集団で働くことに大きな納得感を生み出す。

リーダーの立場を安定させる7つの方策

韓非は、リーダーの立場を安定させる道、危うくする道を説いている。

①賞罰は必ずことの是非によって行うこと
②禍福は必ずことの善悪にしたがって下すこと
③殺すも生かすも必ず法の決まり通りに行うこと
④優秀か否かの判断をしても、愛憎で差別はしないこと
⑤愚か者、知恵者の判別はするが、謗ったり褒めたりしないこと
⑥客観的な規準で考え、勝手な推量をしないこと
⑦信義が行われて、騙し合いのないこと

リーダーの立場を危うくする6つの方策

①規則があるのに勝手な裁量をすること
②法規をはみ出してその外で勝手な裁断を下すこと
③人が受けた損害を自分の利益とすること
④人が受けた禍を自分の楽しみとすること
⑤人が安楽にしているのを脅かして危うくすること
⑥愛すべき者に親しまず、憎むべき者を遠ざけないこと

部下の恨みを買う大きな理由は、上司に公平感がないこと。人の恨みが蓄積していくと、どこかでリーダーの立場を危うくしかねない。所属する多くの者が「真面目にやるのがバカらしい」と思えば、成果も消えていく。

部下を評価する方法

君主の仕事の代表格は、人に仕事を任せることである。韓非は、人に任せる術のレベルが、国の存亡を分けると言っている。任せる時のポイントとして、韓非は徹底した「事実主義」を主張している。

①身分の低い者でも高い者を批判することができるようにする
②事実の判定には多くの情報を集めて検討する
③部下の意見を広く集めて、偏った聞き方をしない
④優れた実績を出した者の仕事を増やす
⑤愚か者には仕事を任せない

優秀な者に仕事を任せ、愚か者から仕事を引き上げる。すると君主の支配下では、誰もが懸命に働かざるをえない。その際、周囲の雑音に惑わされず、事実を徹底して追求することがポイントである。

人が集まる3つの要素

韓非は、リーダーが実現すべき最重要の3つの要素を挙げている。これら3つを実現できるリーダーは、人を集めることができる。

①利益(お金)
②威厳(地位、権力、敬意)
③名目(掲げる目標)

利益を実現できなければ、部下は豊かな生活を享受できない。威厳や人望がなければ、周囲が命令に従わない。共感できる目標がなければ、人は魅力を感じない。韓非は、この3つ以外は後回しでよいと指摘している。

部下の力を引き出す5つの法則

①人に合わせた仕事を与え、集中できる環境を創る
②ルールはシンプルで、効果的なものに限定せよ
③部下に苦手なことを押し付けない
④効果的で成果の上がる目標から、まず取り掛かる
⑤リーダーの冷静さ、感情ではなく、合理性を追求する姿勢