個人とチームとしての成果を重視する
サイボウズでは「チームワークあふれる社会を創る」ことを目指し、仕事の成果と同様に「チームへの貢献と成長」が求められる。独りよがりになって自分のことしか見えていない状態だったり、自分のスキルだけ伸ばしたりしているようではダメで、「チームのことを考えられるかどうか」「あなたと一緒に働きたいと思われるかどうか」が重視される。
独りよがりな仕事の欠点は「自分で立てられる目標が、仕事の限界値になる」ということ。一人でやれる仕事には限界がある。いくら個人で成果を出したとしても、チームで得られる成果の大きさにはかなわない。
素直さを大切にする
サイボウズではスキルだけの人は評価されない。社内で信頼されることや、「この人と一緒にチームを組んで仕事をしたい」と思われることが大切である。
チームの信頼を得るために大切なことは、自分に対してはもちろん、他人に対しても素直であること。人からの意見をすべて鵜呑みにする必要はないが、吸収すべきことは吸収する素直さを持っていないと、誰からも相手にされなくなる。サイボウズでは、経験のある社員、新入社員の意見も同じように、まずは素直に耳を傾けようという考え方が根付いている。立場が上の人ほど、その姿勢を徹底しているのがサイボウズの大きな特徴である。
多様性を尊重する
サイボウズが考えるチームワークとは、メンバー全員が同じ思想を持ち、一致団結するというものではない。人間は1人1人違っており、はじめから多様な個性を持っているという前提に立ち、「100人100通りの働き方」を目指すこと。その上で、同じ理想に向かうことがチームワークだと考えている。
会社が一律な働き方を強いるのではなく、多様な人が集まり、お互いのスタイルを尊重しながらチームで働く。そういう組織が増えることで、「チームワークあふれる社会」が実現できると考えている。
自分はどうあるべきかを考える
サイボウズは「多様な人間が複数人集まっている時点で、社員は全員バラバラ」という大前提のもとに成り立っている。これは「自分らしさ」を尊重し合うということである。これは一見自由な環境のようだが、裏を返すと「自分はどうあるべきか」と、ちゃんと自分自身で考えなければならないということでもある。
自分がどうあるべきかを自分自身で考えられる人は、自ずとやるべきことを理解して自主的に働ける。反対に、考えられない人は、他人の基準で働かないといけない。だからこそ、これからチームを率いるリーダーやマネジャーは、チームメンバーが多様であること、そしてそれぞれの個性を尊重することを前提に、十人十色の働き方を見つけられるようにサポートしていく必要がある。
心理的安全性を確保する
チームを作る時に、一番重要なものは「心理的安全性の確保」である。心理的安全性とは、不安や恐れを感じることなく、発言や質問ができる環境や関係性のことを意味する。
だから、どんな些細なことでも、まずはチームに共有してみる姿勢が大切である。チームがそれぞれの多様性を認められれば、メンバーから新しい切り口や視点の違う意見・アイデアが出やすくなる。
心理的安全性を生み出すにはどうすればいいか。日頃から密に接しているチームなら、会社でのコミュニケーションを少しずつ変えられる。一方、働き方もバラバラなサイボウズでは、チームでオープンに使える「コミュニケーションツール」をフル活用することで解決している。