未来を発明するためにいまできること スタンフォード大学 集中講義II

発刊
2012年5月31日
ページ数
256ページ
読了目安
348分
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クリエイティビティを高める方法
『スタンフォード白熱教室』の講師によるイノベーション講座。

人は誰でも創造性を持っており、それは高めることができると説く。クリエイティビティを高める方法を事例を交えながら解説し、イノベーションを起こすための方法を紹介している。

スタンフォード・テクノロジー・ベンチャー・プログラムを担当する著者が、実際に大学の授業で使っているブレインストーミングの手引き、「六色の考える帽子」モデルなど、実践的な内容も含まれている。

創造性を高める仕組み「イノベーション・エンジン」

アイデアは、私たちを色あせた日常から抜け出させ、進歩への道へと導いてくれるクレーンのようなもの。人生における最大の失敗は、実行しないことではない。想像力を働かせられないことである。

創造性を高める仕組み「イノベーション・エンジン」とは、各人の創造性に影響を与える内的及び外的要因の関係を捉えたモデルである。
内側で創造性を左右するのが「知識」「想像力」「姿勢」。外側の世界には、「資源」「環境」「文化」という外的要因があり、創造性を刺激する場合もあれば、殺してしまう場合もある。

①知識
知識は想像力の燃料となる。ある分野について知識が増えれば、何かをしようとする時の材料が増える。

②想像力
想像力は、知識をアイデアに変える触媒である。想像力を解き放つには、ばらばらのアイデアを結び付け、組み合わせること、問題を捉えなおすこと、思い込みを疑うこと。

③姿勢
姿勢は、創造性を呼び起こす起爆剤になる。そもそも、できるという気概がなければ革新的なアイデアを思いつくことなどできない。

④資源
資源とは、身近な環境に存在する価値あるものすべてを指す。ガイド、メンターなどの人的資源、大学、企業などの組織も資源である。知識があれば、その資源を手に入れやすくなる。

⑤環境
家庭、学校、職場など。どんな空間を設計するか、どんな制約を課すか、どんな人と共に働くか。これらの要素に新しいアイデアが生み出せるかどうかは左右される。

⑥文化
世界をどう認識し、解釈し、理解するのかという集団的思考様式。文化は考え方や信条、行動を大きく左右する指示を発する。

姿勢が好奇心に火をつけ、関連する知識を得ようとする。知識が想像力の燃料となり、新しいアイデアを思いつけるようになる。想像力が触媒となり、刺激的な環境をつくり、身近な資源を活用する。こうした環境と姿勢が、コミュニティの文化に影響を与える。

エンジンの部品をすべて起動させることによって、創造性が解き放たれ、個人やチーム、組織の変革につながる。

 

クリエイティビティを高める方法

・何か問題を解決しようとする時、「なぜ」で始まる質問をする。
・全く違う環境に身を置き、自分の物を見る時のフレームを変える。
・無関係に思えるアイデアやモノを結び付け、組み合わせる。
点と点を結び付けるには、喩えを使ったり、類似点を挙げたりすることが役立つ。
・人がやっていることを観察する、助言をもらう、共同で何かに取り組む。
・既存のアイデアや発明の上に積み重ねていく。
・ブレインストーミングを活用する。
その際、重要なことは、判断を保留し、アイデアを出し続けること。
・的を絞った観察を行う。