「検索」から「キュレーション」へ
インターネットの時代に入って、情報の量は膨大に増えた。マスメディアが情報発信の主力だった時代に比べ、数百倍から数千倍の情報が我々の頭上を流れている。しかし、我々は広大な情報の海の中で、自分にとって有用な情報がどこにあるのか探すのが困難になっている。
しかし、我々はその情報を流している「人」の信頼度はある程度推し量ることができる。だからこそ、「人」を視座とした情報流通は圧倒的に有用性を持つようになっている。「視座」を提供する人を「キュレーター」と呼ぶ。キュレーターが行う情報提供をキュレーションと言う。
一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報がもつ「あなただけにとっての価値」そういうコンテキスト(文脈・背景)を付与する存在の方が重要性を増している。
つまり、コンテンツ自体よりも必要なコンテンツを選び、その有用性を知らせてくれるキュレーションが重要な時代が来ているのである。
個人が消費できる情報量を遥かに超えた情報が流通するインターネット時代。「検索」から「キュレーション」へ。今、起こり始めている情報社会における変化を事例を交えて、わかり易く示唆する1冊。これからの情報社会の向かう方向性を知る上で必読の書であろう。