ムーブ ユア バス

発刊
2016年4月23日
ページ数
232ページ
読了目安
248分
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組織を動かすためのコツ
組織をバスにたとえ、そのバスを動かすためのポイントを解説している本。
組織にはどのようなタイプのメンバーがいて、それぞれにどのように対処すべきか。組織を活性化させるための方法をわかりやすく紹介しています。

バスに乗るメンバー4つのタイプ

「バス」とは事業の事だ。ある組織ないしグループが達成しようとする目標、上げようとする成果を表す。このバスにはエンジンもガソリンタンクもない。組織は人で動くものなので、このバスも人の足で動く。バスが目標に向かって走るかどうかは、ひとえにバスに乗る人にかかっている。全員が絶好調ならバスは風のように走り、成功は間違いない。

だが、誰もが同じように走れる訳ではない。どんなグループも様々なメンバーから構成され、一律に語る事はできない。各人がバスのためにどれくらい活力を注いでいるかは4つのカテゴリーに分類される。

①ランナー:成績優秀者で、その筋力でバスを動かしている
②ジョガー:働き者で、いい仕事をするが、ランナーには及ばない
③ウォーカー:足は動かしているものの、推進力になっていない
④ライダー:バスに乗っているだけのお荷物

 

各メンバーの特徴

①ランナー
仕事熱心で、時間を顧みずに働き、不平不満を言わず、いつも前向きでいられる。勤労意欲が高く、細部への目配りも怠りない。組織を成功へと導く立役者。ランナーは鼻を高くして仕事を選り好みしたりはしない。つまらない仕事や嫌な仕事でも「これはやらなきゃいけない事だから、やっつけよう」と考えてすぐに動く。

②ジョガー
基本的に職場の害になる事はない。まじめで頼りになる。自分の仕事をちゃんとこなし、それなりの成果を上げるし、根っからの頑張り屋。ただ、一時的に全力疾走する事はあっても、長くは続かない。つまり、バスのスピードを下げる事はないが、上げる事もない。ジョガーは自分は誰よりもいい結果を出していると心から信じ、ランナーとして認められる事を切望している。人から評価される事にこだわりがある。

③ウォーカー
足取りが重く、ジョガーについていく事もできない。始終「なんで急ぐんだ?なんでわざわざ仕事を増やすんだ?」とぼやいている。ウォーカーは何か問題に気づくとそれを指摘せずにはいられない。だがそれは問題を解決したいからではなく、自分が責められないように先手を打つためである。問題はウォーカーは相手の事もウォーカーにしようとする事である。全員がゆっくりなら、自分が責められる事はない。

④ライダー
バスのためにほとんど何もせず、ただ乗っている。それでいて自分には100%バスに乗る資格があると思っている。ライダーはチームの業績に興味がない。自分自身の成功や成長もどうでもいいと思っている。ただそこにいるだけで満足している。彼らは解雇されないぎりぎりのところでうまくやるというのが目標である。ライダーの存在はランナーやジョガーの精神的負担になる事がある。

⑤ドライバー
組織のリーダー。まず、ランナーを支える事に注力する。そしてランナーが順調かつ高速で走り始めたら、ジョガー、ウォーカー、ライダーにも目を向け、彼らのステップアップを助けたり、場合によってはバスから降ろしたりする。ドライバーが力を注ぐ対象を間違えると、その努力は組織の活性に結びつかない。

 

ドライバーができること

①ランナーを活躍させる
ランナーが輝いている時、その光を覆い隠すような事をしてはいけない。そんな事をしたらランナーは萎縮し、足を緩めてしまう。そして、ランナーが上げた成果は本人のものとわかるように扱うのが原則である。

②ジョガーの力を引き出す
ジョガーと仕事をするには、ランナーより少しだけ丁寧に面倒をみる事である。ジョガーは評価を求める。だから、いいところに目を向けて「ここがいい」と伝える。

③ウォーカーには手本を示す
ドライバーは自分の価値観をはっきり伝え「ランナーはこういう風に仕事をする」と示す必要がある。

 

バスを加速させるルール

①物事を否定的に見ない、否定的な事を言わない
ランナーは組織を見渡し、優れたところや成功しているところを見つけて皆に知らせる。そして、いいところをさらに増やそうとし、そのための方法を考える。

②言い訳をしない
走っていない人は、自分が走れない理由を見つけて言い訳しようとする事がある。

③自分を過大評価しない
自分はすごい仕事をしていて、上司も自分の仕事ぶりに大満足だと思い込む人がいる。そういう人は、上司に認められないと苛立ち、不満を募らせる。認められないのは、仕事ぶりが自分で思っているほど立派なものではないからである。

④いい仕事をてきぱきとやる
最後は生産性がものを言う。どれだけの事をやり終えたかが問われる。いい仕事をするだけではだめで、それを着実にやり終えなければいけない。