アマゾンのすごいルール

発刊
2018年4月6日
ページ数
287ページ
読了目安
294分
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なぜ、アマゾンは飛躍的な成長を遂げてきたのか
アマゾン ジャパンの立ち上げに携わった元幹部社員が、アマゾン社内のルールを紹介している一冊。なぜ、アマゾンは飛躍的に成長できたのか、その考え方がまとめられています。

Customers Rule!(お客様が決めるんだ!)

アマゾンをアマゾンたらしめている「ルール」は、この一行に集約されている。アマゾンでは、四半期に一度、社員表彰が行われる。その中で最も価値のある賞が「Door Desk Award」と呼ばれる賞。受賞者には、創業時の倹約の象徴である、ドアデスクのミニチュアが贈られる。そこには、アマゾン創業者ジェフ・ベゾスのサインと共に、「Customers Rule!」の一文が手書きされている。

アマゾンの考え方は、シンプルである。「Customers Rule!」という大原則に基づいて、「お客様のために何ができるか?」を考え、シンプルに事業を推進しているだけ。但し、時間軸、スピード感、スケール感が違う。普段、我々が想像する距離や空間よりも、はるかに広い範囲で物事をイメージしている。世界各国に拠点を持つ巨大な組織でありながら、世界中のアマゾニアん1人1人が「お客様のために何ができるか?」という視点で、シンプルに物事を考え、実行している。

未来に花を咲かせるために種を植える

アマゾンの「すごいルール」を知る上で最も重要なことは、創業者ジェフ・ベゾスの基本思考や行動原則を知っておくこと。アマゾンで働く従業員は「ベゾスが描く未来のビジョンに共鳴し、そのビジョンを実現したい」と考えているからである。

様々なプレゼンの場でジェフ・ベゾスが語ってきたのは、「種を植えること」の重要性である。今の繁栄に満足し、ベンチャーマインドを忘れないために、今日もイノベーティブな種を植えることを語りかけている。

遠い未来から、物事を考える

ジェフ・ベゾスは自分の生きている時代よりはるか先を見ている。はるか遠い未来を見ているので、誤解されることもある。しかし、自分たちにできることがあれば、当然それをやる。本当に自分たちがどこに行くべきかを考えながら、アマゾニアンたちはビジネスをしている。

働くのは「善意」ではなく「仕組み」だ

アマゾンで、非常によく使われる言葉の1つが「スケーラブルかどうか?」である。これは「現状の1000倍、1万倍のビジネス規模になっても、今と同じサービスレベルを保つことができるか?」という意味で使われる。

少数ならば「善意」だけでも成立するが、規模を拡張することも、継続することもできない。大切なのは「仕組み」である。創意工夫を重ね、1万個の出荷であっても限りなく自動化できる「仕組み」を作る。すると、その仕組みが、今まで長い時間を費やし、大きな手間がかかっていた作業を簡略化してくれる。そこで浮いた時間を、より創造的な仕事に充てることができる。

逆算して「今やるべきこと」を考える

長期的なビジョンを持ち、そのビジョンに到達するために、今やらなければならないことは何かを考え実行する。アマゾニアンたちは、この考え方を「逆算して考える」と呼び、大切にしている。

アマゾンでは「Customers Rule!」の下、時間軸が長く、スケールの大きなビジョンを掲げ、そこから逆算していく。よって、アマゾンの事業活動は、全てが1つの線で繋がっている。しかも、圧倒的なスピード感でやり遂げる。

OLP14か条

アマゾンの強さを理解する上で重要なものが「Our Leadership Principles(OLP)=「リーダーシップ理念」である。アマゾニアンは、この行動理念を意識し、日常の業務の中で実践することを求められる。

①顧客へのこだわり
②オーナーシップ
③創造と単純化
④多くの場合正しい
⑤学び、そして興味を持つ
⑥ベストな人材を確保し育てる
⑦常に高い目標を掲げる
⑧広い視野で考える
⑨とにかく行動する
⑩質素倹約
⑪人々から信頼を得る
⑫より深く考える
⑬意見を持ち、議論を交わし、納得したら力を注ぐ
⑭結果を出す