休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル

発刊
2025年6月13日
ページ数
296ページ
読了目安
352分
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疲れをとるために効果的な方法
自分に合った休養の方法を取り入れて、習慣化させることが、心身を休めるには効果的であるとし、科学的根拠のある様々な休養の方法を紹介している一冊。

睡眠の質を上げる方法、食事や運動で疲れをとる方法など、すぐに取り入れられそうな方法が数多く書かれています。ビジネスパーソンにとっては、戦略的に休養をとることも重要だとし、効果的の休むことの大切さが書かれています。

ぐっすり眠る

①眠れない時はベッドから出る

眠れない時はベッドから出るということが、意外なことに休養の質を高める近道になる。眠気がくるまで別の場所でリラックスするのが効果的であり、睡眠療法の基本である。具体的な手順は以下の通り。

  1. ベッドから出て、できれば寝室ではないところで過ごす
  2. 照明を暗めにしたリビングのソファでリラックスする
  3. スマホやテレビはなるべく見ない
  4. 眠くなったら寝室のベッドに戻る。それでも眠れなかったら、またベッドから出て同じことを繰り返す

 

②枕とベッドを合わせる

質の高い睡眠のためには、寝返りが鍵を握る。健康な人は1晩の睡眠で20回以上の寝返りを打つとも言われている。同じ姿勢をずっととり続けていると血流も悪くなり、体が緊張し、筋肉や関節もリラックスできなくなる。

いい枕とは、寝返りが打ちやすい枕と言える。横になった時におでこから胸の中央まで一直線になる枕が、首に負担をかけず、呼吸がしやすい上に、寝返りがしやすくなる。その意味で、枕はベッドに合わせる必要があり、2つの最高の組み合わせを見つけた時、睡眠の質は格段に向上する。

 

③ぬるめのお風呂に入る

快眠のためには、就寝の90分前にお風呂に入り、少しぬるめの39から40度の湯船に15分浸かるのが良い。熱めのお湯に浸かると自律神経に影響が出て寝付きが悪くなってしまう。ぬるめのお湯に15分浸かると体温が上昇し、その後、体温の低下が大きくなって、眠気がやってくる。

長くお湯に浸かる「半身浴」が体にいいというイメージがあるかもしれないが、疲労回復を優先させるには15分の全身浴の方が向いている。また、長く湯船に浸かっていると、皮膚の保湿成分が流れ出てしまう。

 

食事で体の調子を整える

①朝食は2種類を使い分ける

忙しくてもバランスよく栄養がとれて、パフォーマンスを落とさないためには、朝食が最も重要である。昼や夜は会食が入ることもあるが、朝食であれば自分で必ずコントロールできるからである。

多くのビジネスパーソンにおすすめなのが、以下の種類の朝食を使い分けること。

  • パフォーマンス食:卵料理、味噌汁、野菜ジュース、おにぎりのセット(日によってアボカドやナッツ類)
  • 補給食:バナナとプロテインドリンク(時には温かいおかゆやスムージーをプラス)

 

②タンパク質をしっかりとる

タンパク質は、筋肉をはじめ、皮膚や髪の毛、内臓など、体のあらゆるものをつくる材料になる。また、ホルモンや酵素、免疫物質などもタンパク質からできている。タンパク質は、以下のようにとるのが望ましいと考えられている。

  • 1日に体重あたり1.0〜1.6kg程度
  • 朝昼晩3食をまんべんなくとることが望ましく、1食当たり20〜30g程度が必要

タンパク質は一度にたくさんとればいい訳ではなく、3食まんべんなくとる必要がある。

 

③腸が喜ぶ食事をする

腸内の環境が全身の健康に影響することが近年の研究で明らかになってきた。特に心身のコンディションやパフォーマンスに大きな影響を与えると考えられ、腸内環境を整えることで脳の機能や睡眠が改善される。

腸内環境を整えるためには、以下のよう発酵食品や食物繊維を十分に含む食事を心がけることが重要である。

  • 発酵食品の代表格である味噌汁、納豆
  • 食物繊維が豊富な野菜、きのこ類、海藻類
  • 乳酸菌食品であるヨールグルトなど

腸内環境の改善には、運動や睡眠も重要な役割を果たす。適度な運動な腸内の善玉菌の増加を促進することが研究で明らかになっている。

 

体を動かして休養の質を高める

①「疲れない」運動を週に2〜3回する

運動はハードな方が効果的だと思いがちだが、必ずしもそうではない。休養の質を高めるのが目的ならば、疲れない運動を週に2〜3回するので十分である。疲れるほど運動をすると、体内に「活性酸素」が過剰に発生する。活性酸素の過剰発生は、細胞や組織を傷つけることで老化や病気の原因となる可能性がある。

30分から1時間かけて1〜1.5kmほどウォーキングするといった有酸素運動と軽い筋トレの両方を行うことが効果的である。「疲れない」運動を継続していくと、細胞内のミトコンドリアが増殖し、疲れにくい体をつくることにつながる。

 

②軽い筋トレをする

筋トレといっても、軽めで回数を多くするのがコツである。筋トレをすることで気持ちが前向きになり、脳や内臓にプラスの効果を与える「マイオカイン」が分泌される。マイオカインとは、筋肉から分泌されるホルモンの総称で、これまでに数十種類が発見されている。

運動をすることで筋肉からマイオカインが分泌され、血流に乗って全身に運ばれて、以下のような様々な良い影響が期待できることがわかっている。

  • 血液中の糖を筋肉へ取り込む量を増やして血糖値を安定させる
  • 蓄積した脂肪を燃焼させる
  • 動脈硬化のリスクを下げ、認知症を予防する
  • 代謝効果を高め、美肌効果をもたらす