知らない人を採ってはいけない 新しい世界基準「リファラル採用」の教科書

発刊
2019年1月23日
ページ数
224ページ
読了目安
228分
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社員から知人や友人の紹介を受けて人材採用する方法
社員から知人や友人の紹介を受けて、人材を採用するリファラル採用の方法を紹介している一冊。社員に「いい人を紹介して下さい」と言ったり、報奨金を出すだけでは機能しないリファラル採用の仕組みが紹介されています。

リファラル採用とは

リファラル採用とは「社内外の信頼できる人脈を介した、紹介・推薦による採用活動」のことである。米国を中心に世界中の企業で採用の柱になりつつある。リファラル採用は縁故採用と全く同じではない。最初の接点は縁故採用に近いが、社員の紹介だからといって、無条件で入社できるのではなく、しっかり面接し採用の可否を決定する。

リファラル採用は、会社が人材データベースや社員の友人・知人、SNSから求める人材を探し、直接連絡し採用する「攻め」の採用手法である。但し、単に社員に知り合いの紹介をお願いするだけでは機能しない。そこにいくつかの仕組みや仕掛けが必要である。

リファラル採用6つの成功条件

リファラル採用のメリットを享受するには、6つの成功条件をクリアし「魅力向上型リファラル採用」を推進する必要がある。

①間違えないリファラル採用の推進方法の設定
リファラル採用は短期間での大量採用には向いていない。その制約を踏まえたリファラル採用を推進する必要がある。リファラル採用中心型かリファラル採用併用型でいくか選択を間違えると、期待通りの成果が得られない。

②3つの前提条件のクリア
次の3つの前提条件をクリアせずにリファラル採用を推進しても絶対に成功しない。
1.社長と会社を好きな社員がいる
2.嘘をつかない
3.社長が耳の痛い提案を聴ける

③社長の本気度と率先垂範
中小・ベンチャー企業でリファラル採用を成功させるためには、社長自ら推進することが極めて重要である。社長も忙しいのに一生懸命リファラル採用をやっているから、我々もやらなければいけないと感じてくれると、社員も必死に活動を始める。

④小さな成功からスタートし大成功へ
いきなり全社でリファラル採用を推進してもうまくいかない。まずはパイロットプロジェクトを発足し、2〜4名程度を採用する。次にプロジェクトメンバーの増員や実施する部門を拡大していく。最終的に全員がリファラルリクルーターとなって全社展開していくという手順が重要である。

⑤リファラル採用プロジェクトメンバーの「気になる課題」の解決
社長と会社のことが好きな社員でも、友人・知人に自社を紹介する時に気になる課題があれば、安心して声をかけられない。そのような課題は早い段階で解決し、社長と会社を好きな社員がリファラル採用を推進しやすい環境を整備すべきである。

⑥持続的成功の3条件のクリア
リファラル採用の成功を一過性で終わらせず持続させるためには、3つの条件をクリアする必要がある。
1.アピールブックの作成
会社の大切にしている想い、魅力と課題、中期経営計画、将来ビジョン、人事制度、キャリアパス、働く仲間、育つ環境などをわかりやすく見える化し、1冊にまとめる。

2.リファラル採用の仕組み構築
・友人・知人の棚卸しを行う。
・興味を持ってくれた友人・知人を勉強会、イベント、飲み会等に誘う。
関係を深めながら口説いていく。
・書類選考や1次面接では不合格にせず、最終面接まで実施。
不合格になっても、キャリア提案をしながら状況を理解してもらう。
・内定後、すごい人に会ってもらったり、社長が何度も口説く。

3.社長目線のリクルーターの育成
社長目線のリクルーターを育成するには、まずはリファラル採用専用の名刺を作り、リクルーターに配る。その後、社長との会話を増やしたり、リファラル採用が実践できている社員や幹部と行動を共にする。