目標設定の法則
チームをチームたらしめる必要条件は「共通の目的」である。人間はある目的を意識すると、その目的に関連する情報をそれまで以上に認識するようになる。そのため、チームのパフォーマンスは、目標設定に大きく左右される。適切な目標設定がなされていなければ、メンバーのあらゆる努力は無に帰す。
大切なことは、きちんとチーム活動の意義を設定すること。自分たちのチームは何のために存在するのか。数字や作業を積み上げた先に何を実現したいのか。チーム活動の意義が明確に言語化されてはじめて、メンバーたちは自主性や創造性を発揮し始める。
人員選定の法則
「何をやるか」以上に「誰とやるか」はチームのパフォーマンスに多大な影響を与える。チームメンバーは誰かから与えられるものではなく、自ら探し、見つけ、連れてくるもの。そんな意識を持てているかどうかでチーム作りは大きく変わる。
チーム作りに絶対の正解はない。なぜならば、チームが発揮すべき機能というのは、チームが置かれている環境や、チームが取り組む活動によって変わってくるからである。
チームメンバーを集める際には、「今、自分たちのチームにはどのようなメンバーが必要なのか」について確固たる指針を持っているチームだけが、メンバー集めを成功させられる。
意思疎通の法則
チームとして高いパフォーマンスを生み出すためにメンバー同士の効果的な連携は不可欠である。効果的な連携は効果的なコミュニケーションから生まれる。
チーム内のコミュニケーションは多ければ多いほど良いわけではない。まずは適切にルールを設計し、無駄なコミュニケーションをできる限り減らし、効率化を図ること。その上で「お互いを理解するコミュニケーション」や「安心して意見を言える場作りのためのコミュニケーション」に投資する。
意思決定の法則
チームのパフォーマンスはメンバーの活動の積み重ね以上に、要所要所でのチームとしての意思決定で決まる。まず、どのような方法で意思決定するかを意思決定する。リーダーはメンバーの反発を恐れずに大胆に決断する。そして、自分たちのチームの決断を、メンバー全員で正解にしていく。このような意思決定に対する適切なスタンスをチームメンバー全員で共有することにより、意思決定の精度は飛躍的に向上する。
意思決定の方法には「独裁」「多数決」「合議」の3つがあり、それぞれに一長一短がある。どの意思決定を選ぶかによって「メンバーの納得感の得やすさ」と「意思決定にかかる時間の長さ」が変わってくる。
共感創造の法則
どんなプロフェッショナルも、その活動はモチベーションに左右される。まずはメンバーに何に共感してもらい、モチベーションを生み出すのかを明確にすること。その上で、チームの中に共感を創造し続ける仕組みを埋め込む。
エンゲージメントを高めるには「理念・方針」「活動・成長」「人材・風土」「待遇・特権」の4つがある。チームとしてのエンゲージメントの総量を高めるために、4つの内どれでエンゲージメントを高めるのかを戦略的に絞り込むことが有効である。チームの資源は有限であるため、どんなことに応えて、どんなことには応えないのか資源配分が大切である。