《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

発刊
2019年6月28日
ページ数
253ページ
読了目安
242分
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推薦者

サイボウズの働き方
チームワークでの成果を大切にし、多様性を重視するサイボウズの働き方。社員一人一人を尊重しながら、チームワークを発揮するために取り組んでいることや考え方をサイボウズのオンラインメディア「サイボウズ式」の編集長が紹介しています。

個人とチームとしての成果を重視する

サイボウズでは「チームワークあふれる社会を創る」ことを目指し、仕事の成果と同様に「チームへの貢献と成長」が求められる。独りよがりになって自分のことしか見えていない状態だったり、自分のスキルだけ伸ばしたりしているようではダメで、「チームのことを考えられるかどうか」「あなたと一緒に働きたいと思われるかどうか」が重視される。

独りよがりな仕事の欠点は「自分で立てられる目標が、仕事の限界値になる」ということ。一人でやれる仕事には限界がある。いくら個人で成果を出したとしても、チームで得られる成果の大きさにはかなわない。

素直さを大切にする

サイボウズではスキルだけの人は評価されない。社内で信頼されることや、「この人と一緒にチームを組んで仕事をしたい」と思われることが大切である。

チームの信頼を得るために大切なことは、自分に対してはもちろん、他人に対しても素直であること。人からの意見をすべて鵜呑みにする必要はないが、吸収すべきことは吸収する素直さを持っていないと、誰からも相手にされなくなる。サイボウズでは、経験のある社員、新入社員の意見も同じように、まずは素直に耳を傾けようという考え方が根付いている。立場が上の人ほど、その姿勢を徹底しているのがサイボウズの大きな特徴である。

多様性を尊重する

サイボウズが考えるチームワークとは、メンバー全員が同じ思想を持ち、一致団結するというものではない。人間は1人1人違っており、はじめから多様な個性を持っているという前提に立ち、「100人100通りの働き方」を目指すこと。その上で、同じ理想に向かうことがチームワークだと考えている。

会社が一律な働き方を強いるのではなく、多様な人が集まり、お互いのスタイルを尊重しながらチームで働く。そういう組織が増えることで、「チームワークあふれる社会」が実現できると考えている。

自分はどうあるべきかを考える

サイボウズは「多様な人間が複数人集まっている時点で、社員は全員バラバラ」という大前提のもとに成り立っている。これは「自分らしさ」を尊重し合うということである。これは一見自由な環境のようだが、裏を返すと「自分はどうあるべきか」と、ちゃんと自分自身で考えなければならないということでもある。

自分がどうあるべきかを自分自身で考えられる人は、自ずとやるべきことを理解して自主的に働ける。反対に、考えられない人は、他人の基準で働かないといけない。だからこそ、これからチームを率いるリーダーやマネジャーは、チームメンバーが多様であること、そしてそれぞれの個性を尊重することを前提に、十人十色の働き方を見つけられるようにサポートしていく必要がある。

心理的安全性を確保する

チームを作る時に、一番重要なものは「心理的安全性の確保」である。心理的安全性とは、不安や恐れを感じることなく、発言や質問ができる環境や関係性のことを意味する。

だから、どんな些細なことでも、まずはチームに共有してみる姿勢が大切である。チームがそれぞれの多様性を認められれば、メンバーから新しい切り口や視点の違う意見・アイデアが出やすくなる。

心理的安全性を生み出すにはどうすればいいか。日頃から密に接しているチームなら、会社でのコミュニケーションを少しずつ変えられる。一方、働き方もバラバラなサイボウズでは、チームでオープンに使える「コミュニケーションツール」をフル活用することで解決している。

参考文献・紹介書籍