伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法

発刊
2019年5月23日
ページ数
308ページ
読了目安
354分
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リッツ・カールトンのサービス哲学と組織マネジメント
リッツ・カールトン創業者が、そのサービス哲学と組織マネジメントを紹介している一冊。リッツ・カールトンのサービスの考え方やそれを組織としてどのように実現するかが紹介されています。

お客様の気持ちを徹底的に考える

お客様が何を望んでいるかは、常識を働かせればわかりそうに思える。しかし、それではお客様が本当に望んでいることの上っ面を見ているにすぎない。

顧客の意見は、コメント・カード、電話インタビュー、オンライン・アンケートなど、様々な方法で集めることができる。これら反応の推移を一定期間にわたってモニターする必要がある。そして、少数の極端な意見に気を取られすぎず、重要な情報を得るためには、幅広い市場の声に耳を傾けることが必要だ。

顧客からのフィードバックは明瞭でない場合があり、重要なポイントを見落としてしまうこともある。しかし、お客様を正しく知り、ニーズを深く理解することは絶対に必要だ。そうでなければ、競合他社に勝るサービスを提供することはできない。

お客様が望んでいる3つのこと

どんな分野のビジネスであっても、お役様は次の3つを望んでいる。

①欠陥のない製品やサービス
②待たされないタイムリーな対応
③親切で思いやりのある対応

以上の3点に加え、ここ数年、消費者の間で2つの要望が特に高まっている。

①インディビデュアライゼーション(個別対応)
②パーソナライゼーション(個人の興味・関心・行動に合わせた最適化)

リーダーはしばしば、複数の利害関係者のニーズを理解して全員に満足してもらわなくてはならない、難しい立場に立たされる。そこで、リーダー複数の課題をジャグリングしなくてはならなくなる。そこで、決定的に重要なことは、お客様にとって意味があることは何かを正しく理解することである。

顧客サービスをすべての社員の仕事にする

顧客サービスは、お客様と接した最初の瞬間から始まる。店の入り口、電話の最初の呼び出し音から始まる。サービスの第一歩は、お客様を心から歓迎することだ。買う気があるかどうかわからなくても、訪問してくれて嬉しいと感謝を表明する。

顧客サービスの二番目のステップは、お客様の要望に添った対応をすることだ。大事なことは、お客様の意向であって、自分の事情ではない。お客様をしっかり歓迎し、要望にもしっかり応えることができたら、次は顧客サービスの最終段階、きちんとお別れの挨拶をすることだ。

顧客サービスとは、実際にお客様と接する社員だけの仕事ではない。お客様とダイレクトに接することはなくても、組織の中で他の社員のために仕事をしている人にとっての仕事でもある。すべての仕事がつながって、その会社の顧客サービスが成功するか失敗するかが決まる。

あらゆる部署のすべての社員は、誰が自分にとっての社内のお客様であるかを把握しておく必要がある。昨日入ったばかりの皿洗いから経営トップまで、働く全員が、自分の一番の仕事は、お客様に満足して頂くために協力することだと肝に銘じる必要がある。

4つの重要課題に集中する

サービスを問題なく提供することは容易ではない。顧客の中には、理不尽な不満をぶつけたり、無理な注文をする人もいる。お客様の2%は何をやっても満足してくれないと言って間違いない。理屈の通じない人、無理なことを要求する人がいる。しかし、そんな人たちに対してさえ、紳士淑女であることをやめてはならない。成功したければ、次の4つの最重要課題から逸れてはならない。

①既存のお客様を維持する
②新規のお客様を獲得する
③お客様にできるだけ多く利用してもらう、但し第一の命題を忘れない
④以上のことをもっと深く、多く、効率よく実行できるように、常に向上を目指す