Fail Fast! 速い失敗が未来を創る

発刊
2021年8月19日
ページ数
192ページ
読了目安
202分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

推薦者

日本企業に求められる経営の考え方
米国で起業し成功した日本人起業家が、日本と米国の考え方の違いを紹介しながら、日本企業に求められる経営とは何かについて書いた一冊。
環境の変化の激しい時代において、経営者に求められる思考とは何かがわかります。

速く失敗して、そこから学びを得ることが成功の元となる

日本人の細部にこだわる気質は世界に誇れるものだ。一方、ドイツや米国のメーカーがより優れているところは何か。それはプライオリティーを見極め、従来の固定観念に縛られない「Think outside the box」という自由で柔軟な考え方がより根付いていることだ。日本では「何でも縦割り」「決められた路線を踏襲する」「前例がない」などの理由で新しいことに挑戦しないことの弊害が多く見られる。

決断しない中間管理職もイノベーションの機会を奪っている。もっと意義のあるリスクを取れるような環境をリーダーはつくっていかなければならない。リスクを取って失敗したら、もう昇進できないような空気を企業から取り除かないといけない。

 

重要なことは「Fail Fast!」だ。速く失敗して(ダラダラ失敗しないで)、そのことから学び、教訓をみんなと共有することがイノベーションを育む環境をつくっていく。そのことをリーダーは忘れてはならない。

リーダーの重要な役割の1つは、スピード感を持って決断することである。そのためには、やはり高度な技術を理解できる専門知識を持ったリーダーの養成がカギとなってくるだろう。これらがイノベーションを加速する。

 

縦割りの考え方を取り除け

テクノロジー企業の経営トップの資質として、理工学に精通していること、つまり技術がわかることが重要である。技術に対して時間軸(どれくらいの期間で製品化できるのか?)と空間軸(どのような分野に技術が応用可能なのか?)を持つことができるから、様々な経営判断を自分でできるのだ。その技術がもたらすインパクトを肌で感じ取ることができるから、事業スピードを自分で調整できる。

 

理系、文系という言葉も日本だけで使われている硬直的な思考を表す言葉だ。米国では大学で選考を選ぶ時も、例えば工学部と医学部も本人の意思次第で同時に選ぶことができる。理系、文系に関係なく様々な選択肢があるプラットホームが必要である。

現代社会においては、テクノロジーは異種分野の技術や考え方の融合だ。決して1つの縦割りにとらわれた分野からイノベーションは生まれない。

 

価値観を共有し、常に危機感を持て

会社の成長には価値観の共有が欠かせない。例えば、社長が不在の会議で、社長がここにいたら絶対こういう判断をするだろうと出席者が確信できれば、その会社の文化は組織に根付いていると言える。

リーダーはどんなことがあってもドッシリ構え、みんなに安心感を与えなければならないが、リーダー自身は常に危機感を持たなくてはならない。

経営者はそもそも相反する様々な要素が混在する中で優先事項を決断していかなければならない。企業、経営は生き物であり、常にダイナミックに変動していく「プライオリティー群」に臨機応変に対応していかなければならない。そして何をするにも、危機感を持っていなければならない。社会の変化をよく観察して、その変化がどのように社会を変えていくのかということに対し危機感を持つこと。

 

社員やチームを率いるには、リーダーが自らの言葉と行動で、未来の自分たちの獲得していく能力を皆に確信させなければならない。

 

プロセスから学ぶこと

結果よりも目標を達成したプロセスから学ぶことは重要だ。これは偶然なし得たことではなく、一人ひとりが明確な意図を持って考え、行動した結果であり、この勝利体験こそが企業の成長に重要である。

まず、会社経営において最も大事なことは「より良い製品とサービス」を常に顧客のために生み出すことである。このことをすべての社員がそれぞれの役職・立場で強い思いとして共有しなければならない。

 

業績を上げることが目標ではない。より優れた製品をつくり、より顧客がありがたいと思うサービスを提供することの結果として業績が上がる。だから経営者は「業績を上げろ」ではなく、「より良いもの」をつくり提供し続けるには職場環境をどのように改善し、人材の適材適所をどのように整えるのかを考えなければならない。そして社員はそれぞれの立場で何をどのように改善・改良すればより優れた製品とサービスが生み出せるのかを考え続けなければならない。これが自主的に達成される時、目標を達成することができる。

 

リーダーの仕事は高い目標を掲げ、自らも動き、一人ひとりにも知恵を出させ、そして結果を残し、それを皆で共有し、自信に変えていく。この一連のサイクルを繰り返すことで、組織は強くなり、予期せぬ試練にも怯むことなく挑める。

参考文献・紹介書籍