残念な社員が一流に変わる秘密のルーティン

発刊
2015年12月15日
ページ数
198ページ
読了目安
189分
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推薦者

社員を育てる方法
自ら進んで動く社員をどのように育てればいいのか。ノートとコミュニケーションによるシンプルな方法で、社員を育てる方法を紹介している本です。

社長自らが社員の成長を心から願うことが大切

上からの指示を待つばかりで自発的に仕事をしてくれない、熱心に教えたつもりでも、あっさり辞めてしまう。こうした社員が育たない問題を解決する方法がある。それは「社長自身が社員の成長を心の底から願う」事である。社長が心の中で「こいつダメだなあ。仕事ができないやつだ」と社員にレッテルを貼った瞬間に、その社員は成長しなくなる。社長の本音は、態度から社員にすぐ感じ取られる。がっかりして辞めていくか、最低限の仕事にしか取り組まなくなる。

社員が成長するには、社員に対する「成長期待」を心から持ち、その「想い」が伝わるコミュニケーションを取り続けている事が前提である。

 

社員自らが変わりたいと思う仕組みをつくる

社員が自ら高い目標を掲げ、その目標を達成するためにより良くできるようになろうとしているか。そして、自分のできる仕事の範囲を広げるために新しいことに挑戦しているか。社員が成長しているかどうかは、この2つのモノサシで確認する。その結果、挑戦し続けている努力の跡が見えれば、「残念な社員」ではない。

残念な社員とは反対に、自分で考えて動きながら成長していく理想的な社員を「部門経営者」(自分で仕事を創造できる人=自創の人)と呼ぶ。社長や上司から見た場合、自創社員は「安心して仕事を任せる事ができる人」とも表現できる。こうした自創社員が社内に多く育てば、会社は強くなる。

自創社員は社長だけの力では育たない。社員が自ら「変わりたい」「成長したい」と思わなければ、残念な社員はそのままである。「人は本人の意志のみで動く」が人間の本質である。社長の役割は、社員が自ら「変わりたい」「成長したい」と思って、実践する仕組みづくりと、社員の成長を確認し、必要に応じて支える仕掛けづくりである。

 

ルーティーンを変える

人の能力は顕在意識に基づく行動よりも、潜在意識の働きによる習慣の影響が圧倒的に大きい。つまり、無意識の習慣によって能力が大きく左右される。習慣を変えるには、潜在意識を半ば強制的に顕在化させて言動を矯正していくしかない。ポイントは3つ。

①現状ではまだまずい点、自分がまだできていない行動を具体的に書き出す
②社員が自ら「現状を変えたい」と望んで、「変えるぞ」と決意する
③社員が自ら粘り強く実行し続ける

良い習慣を社員が身に付けるために、すぐに始められる方法に「ナンバーワン運動」がある。これは何でもいいので「◯◯で社内ナンバーワンになる」と宣言し、自分によって良いと思う習慣を身に付けて、1年後、周囲の人にそれが実現できたかをチェックしてもらうという取り組みである。その時、周囲に宣言するだけでなく、ノートに習慣づくりの内容を書き出し、実践できたかどうか自分でも毎日◯×を付けて確認するといい。

 

自創社員になるための成長ステップ

全社員を一流に育てるには、まず社長や優秀な上司が仕事ぶりを社員に見せてあげる事である。一流社員の仕事を見て真似させる事から始めるべきである。

①知る→ ②理解する→ ③大体1人でできる→ ④より良くできる→ ⑤自分ができる事を人に教えて育てる事ができる

これら成長の5つのステップを社員に踏んでもらうために社長や上司が心がける基本的な流れは4つ。

①成長期待を持つ
②現状の成長度合いを確認する
③当面の成長課題を明らかにする
④課題の解決方法を考えさせる

対話を通じてこの4つをルーティーンにする事が大切である。

参考文献・紹介書籍