マッキンゼー流 最高の社風のつくり方

発刊
2016年7月28日
ページ数
424ページ
読了目安
629分
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推薦者

高い業績を上げる組織のつくり方
高い業績を上げる組織をつくるのはどうすればいいのか。働く人々の動機に注目し、活気ある社風を作るための鍵を紹介している一冊。

会社を高業績に導く鍵

高業績を導く社風を築くには、まず、何が一人ひとりの業績を高めるかを理解しなければならない。それは「なぜ」働くか、ということだ。労働には6つの基本的な動機がある。「楽しさ」「目的」「可能性」「感情的圧力」「経済的圧力」「惰性」で、最初から3つ目までは業績を向上させ、後の3つは業績を下げる。社風によって楽しさと目的と可能性を最大にし、感情的圧力と経済的圧力と惰性を最小にすると、総合的動機(Total Motivation=ToMo)が最高レベルに達する。

成功している組織の多くはすでにToMoを活用している。それらの組織のリーダーは、人々にやる気を出させるには、報酬や脅しをちらつかせるのではなく、彼らを啓発し、仕事の中に楽しさや目的、可能性を見出させるのが一番だと理解している。

 

人が働く6つの理由

労働には6つの基本的な動機がある。直接的動機3つ(楽しさ、目的、可能性)と間接的動機3つ(感情的圧力、経済的圧力、惰性)である。

①楽しさ
やっていて楽しいので、仕事自体が報酬となる。高業績を上げるための最も強い動機となる。

②目的
仕事そのものではなく、仕事の「結果」に価値が感じられる場合である。仕事自体は楽しくないかもしれないが、それがもたらす「結果」が、その人にとって重要である。仕事が社会に及ぼす影響が、自分の価値観や信念と一致する時、目的という動機を持つことができる。

③可能性
仕事の二次的な結果が、自分の価値観や信念と一致する時、つまり、最終的に重要だと思うものにつながるからその仕事に励むという場合である。

④感情的圧力
失望や罪悪感、羞恥心ゆえにある活動をする場合に生まれる。こうした感情には、自身の信念や外からの圧力が関係している。仕事そのものが働く理由ではなく、他人を失望させたくない、立派な肩書きが自尊心を満たしてくれるので仕事を続けるといったものである。感情的圧力が仕事への動機である場合、業績は伸びにくい。

⑤経済的圧力
報酬を得るため、解雇などの罰を逃れるために働く場合である。

⑥惰性
ただ昨日やっていたことを今日もやるだけである。これがもたらすのは、最低の業績である。

 

ToMo指数

一般に、直接的動機は業績を向上させ、間接的動機は業績を下げる。動機が活動と密接に結びつくほど業績は向上する。楽しさは、仕事に最も近い動機なので、最も強力である。目的は、仕事から1歩離れているので2番目に強い。可能性は2歩かそれ以上離れているので3番目に強い。ToMoが高くなるのは、人が直接的動機をより多く感じ、間接的動機をより少なく感じる時だ。

ToMo指数は、これら6つの動機を1つの数値に統合する。この数値を得るには、組織に属する一人ひとりの直接的動機の度合いを示す数値を合計し、そこから間接的動機の度合いを示す数値を引く。

質問:今の仕事を続けているのは、
・仕事そのものが楽しいから「1〜7」×10=「A」
・この仕事に重要な目的があると思うから「1〜7」×5=「B」
・自分の目標を達成する上で有益だから「1〜7」×1.66=「C」
・辞めたら自分を気にかけてくれる人を落胆させるから「1〜7」×1.66=「D 」
・この仕事を失ったら金銭上の目標を達成できなくなるから「1〜7」×5=「E」
・今の仕事を続ける妥当な理由はない「1〜7」×10=「E」

A+B+C-D-E-F=ToMo指数

社風や組織文化の強さを客観的に測定できれば、大きな変革をもたらすことができる。