ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」 ビジネスで勝ち残るための13の教え

発刊
2016年10月15日
ページ数
284ページ
読了目安
385分
推薦ポイント 10P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

経営の神様の教え
「経営の神様」ジャック・ウェルチが、リーダーシップやマネジメントをテーマに、アドバイスを綴った一冊。

常に一貫性をとる

人は会社と彼らの人生が良くなるように願って、毎日、一日中働く。そして働いていく中で、人は生きる意義を見つける。それが全てではないが、仕事は人生の目的の大きな部分を占める。だからこそ、会社やチームが音や動き、怒りに囲まれて何の意味もない職場から逃れられない状態は最悪だ。前向きな行動、成長、勝利につながるものもなければ、それは単なるつまらない仕事だ。

この問題を解決するのに必要なのは一貫性を取ること、そしてリーダーシップだ。このどちらも同じぐらい重要だ。一貫性が必要なのは次の3つである。

①ミッション:組織が目指すところをきっちりと指し示す
②行動:ミッションを実現するための社員の考え方や感じ方、コミュニケーションの仕方
③結果:仕組みを強化するもので、昇進やボーナスなど

一貫性があれば、堂々巡りをすることはなくなる。進歩が見え、つまらない仕事が消えてなくなる。

つまらない仕事を取り除く5つの戦術

つまらない仕事を取り除き、一貫性をとるために、リーダーシップは欠かせない。リーダーシップは、執拗に真実を追求し、絶え間なく信頼を作り出す。そのための5つの戦術は次の通り。

①みんなの心の奥底に入り込む
部下を心から気にかけ、彼らがどうすれば動くのか理解する。

②チーフ・ミーニング・オフィサー(仕事に意義を見出す最高責任者)となる
言葉と行動で、チームの仕事の背景と目的を示す。

③障害を取り除く
結果を出そうとするチームの行く手を阻む、官僚主義など意味のないことを取り除く。

④「気前の良い遺伝子」を発揮する
お金、昇進、称賛の言葉などを使って、素晴らしい仕事をした人に報いる。やりすぎなくらい熱望と努力を見せる。

⑤仕事が楽しくなるようにする
楽しみ、お祝いする環境を作り出す。

危機から回復するための6つの方法

会社が危機に陥った時、その危機から回復するための方法は次の6つ。

①危機を他人事とせず、自分のこととして捉える
打撃を他人事にしないためには演技が必要だ。泊まり込みでチーム作りのイベントをする、やる気にさせる講演をしてくれるスピーカーを呼ぶなど、組織を活性化するのに一番良いアプローチを自由に発想する。

②優秀な人材をできる限り、しっかりとおさえておく
優秀な社員は生き残りのための希望の星だ。早期退職優遇制度では、大抵能力の高い社員が辞めていく。優秀な社員には給料を引き上げ、長期的な業績に基づくストック・オプションを与えるようなことをしなくてはならない。

③コスト、業績、成長に必死に取り組む。データを指針に使う
最新の注意を払ってビジネスのあらゆるところで改善手段を探す。とりわけ、膨大に蓄積された市場や消費者に関する情報に基づくことが肝要だ。

④戦略プロセスを作り替える
マーケットは恐ろしく速く変化している。「5枚のスライド」を使って組織を外からの視点で見る。5枚のスライドは次の項目。

1.現在の競合状況の詳細分析
2.ライバル企業の最近の動き(製品、技術、人事異動)
3.同時期の自社の動き
4.直近で起こりそうなこと、心配点
5.市場を変えてダントツ首位に立てる戦略

戦略とは、自社の事業にとって「あ、そうか!」というアイデアを探し出し、適材を適所に配置して「あ、そうか!」のアイデアを前進させ、それを成し遂げるためにたゆまず成功事例を探す作業である。

⑤組織構造が現実的かどうかをチェックする
多くの企業が危機を迎えるのは、組織構造が時代と共に変化していないからだ。リスク管理とCIOを過小評価すると、大きな打撃を受けた時に恐ろしくコストがかかることになる。

⑤生産性をもっと気にかける