ハーバードのリーダーシップ講義 「自分の殻」を打ち破る

発刊
2016年8月18日
ページ数
232ページ
読了目安
299分
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リーダーシップの本質とは何か?
ハーバード・ビジネススクール教授として、リーダーシップを研究してきた著者が、リーダシップの本質を教える一冊。誰もがリーダーシップを発揮するためには、何が必要かを提示します。

経営者になったつもりで考え、行動せよ

優れたリーダーシップは正しい心構えから生まれる。つまり、意思決定者になったつもりで考え、意思決定者と同じように、すべての問題を考慮することである。敏腕リーダーになるには、まずは経営者マインドを身につけることである。将来を有望視される人であっても、経営者マインドが欠けていると、リーダーとして大成できない場合がある。経営者マインドには不可欠な要素が3つある。

①信念:経営者になったつもりで、自分の信念を見極められる
②行動:その信念に従って行動する
③責任:他者に与えた影響に責任を取る

この3つの要素は、組織での地位につきものの責務ではない。つまり、肩書き、権力、富のためにやるものではない。これらに求められるのは行動力である。優れた組織には、これら3つの要素を常に念頭に置き、部下に「このように考えて行動しなさい」と奨励する管理職が大勢いる。

意思決定者の立場で考えるということ

適切で的を射た意見を述べたとしても、リーダーシップを発揮したことにはならない。リーダーシップの第一歩は、経営者になったつもりでなすべきことを考えることである。意思決定者の立場で物事を考えるのは簡単ではない。プレッシャーは尋常ではないし、多くのことを考慮しなければならず、利害関係者も多い。しかしリーダーを目指す人にとっては、それが仕事である。

リーダーは、今置かれている状況で何をすべきか確信を得ようと、日夜考えている。しかし現実には、確たる見解が得られない場合がほとんどである。彼らはある程度の確信が得られるまで、情報を集め、悩み、状況を分析し続ける。リーダーは、重要な問題に対してある程度の確信を得るまで努力し続ける必要がある。そのために、適切な判断に到達するまで、チームと協力して取り組む必要がある。

リーダーシップの本質は心構えである

リーダーシップは地位ではなく、行動で決まる。責任者の立場に立ったら自分ならばこうしようと考えることはできても、行動にまで至らない人は大勢いる。行動にはある程度のリスクが伴うからである。

大切なのは、行動する方法を見つけることである。野心的なリーダーは、これだと確信したら、恐怖心や不安を克服して勇気を出して意見を言う術、さらには行動に出る術を身につける。不安を取り除くための方法には「メンタルモデル」がある。様々な状況をイメージすることで、物事が明確に見えるようになる。迷いを吹っ切って、ある程度のリスクを覚悟して行動できるようになる。

価値創造に注力せよ

リーダーシップとは、結局のところ人にメリットをもたらすような価値を創造することに他ならない。ほとんどの人は、要職に就いているから自分は「リーダー」だと思い込む。しかし、重要な利害関係者にメリットをもたらすことに注力しない人は、高い地位に就いていてもリーダーにはなれない。卓越したリーダーは、チームメンバーの成長を促せたかとか、重要な利害関係者に価値をできたかを基準に、自分の仕事ぶりを評価する。

常に学び続けよ

リーダーシップには努力が必要である。常に何かを学ぼうとする姿勢が必要である。わからないことを質問する、積極的に学ぶ、孤立しないよう気をつける、転換点を察知する。これらは努力するうちにうまくなる。スムーズに学ぶには次の2つのプロセスをマスターする必要がある。

①ビジョン、優先事項、方向性を確認する
②自分を知ろうとする

2つのプロセスを続けるには、人々の助けが必要である。人々からアドバイスやフィードバックをもらうだけでなく、彼らにも参加しれもらわなければならない。そのため、自分をさらけ出し、周りと真の人間関係を築く必要がある。