営業のプロセス管理
・従来型の営業プロセス:顧客接点のすべてを営業がカバーするターゲットリスト作成
電話・メール
アポイントメント
提案
交渉
受注
・分業型の営業プロセス:受注までのプロセスを分業体制で進める効率的な手法
ウェブサイト・セミナー・キャンペーン(マーケティング)
リード獲得(マーケティング)
メール(マーケティング)
電話(インサイドセールス)
クオリファイ(インサイドセールス/営業)
提案(営業)
交渉(営業)
受注(営業)
ザ・モデル
目の前の案件と新規顧客の開拓、この両方を一人でこなすのは時間がないことに加え、短距離と長距離を交互に走るようなもので、リズムが違うので作業の効率が上がらない。分業すれば、同じリズムの仕事に集中することができる。
マーケティング:市場からリードを獲得する
インサイドセールス(SR):リードを商談化する
アウトバウンドのインサイドセールス(EBR):ターゲット企業から商談を作る
フィールドセールス(AE):商談から受注する
カスタマーサクセス(CSM):受注した顧客のリテンション
それぞれの部門はインバウンドリード、商談作成件数、受注商談、解約率などの指標で評価される。各プロセスを担う部門は、中間指標を設定し、どこがボトルネックなのかを把握し、すぐに対策が打てる。
これらSR→EBR→SMB AE→エンタープライズAEの分業体制はキャリアパスにもなっており、人材育成も兼ねている。
インバウンドリードを軸としたSMB市場向けのフローを「ザ・モデル」と名付けた。
新規リードには、継続的なフォローが必要
B2Bの検討型・高額商材では、リード獲得段階で具体的に検討しているのは全体の10%程度。25%はパートナー、学生、競合など将来的にも購買に至らない層、そして残りの65%は「将来購買の可能性はあるが、今すぐではない」という人たちだ。65%のリードは時間がかかっても戻ってくる可能性がある。
ビジネスを続ければ続けるほど、商談に至らないリード、失注、未フォローの既存顧客の数は増えていく。ここから再び商談化のプロセスへとリサイクル(循環)させる流れを作り、再度見込客にできれば、劇的な効果が見込める。
営業が接点を持つ前に勝負はついている
このモデルを「マーケティングが獲得した新規リードをインサイドセールスが素早くフォローして、商談として進められるものを選別し、営業に引き渡す」という分業によるオペレーションとだけ理解していると、実行段階で行き詰まる。
顧客は購買のプロセスを、自分が決めたタイミングで、自分が信じられる有益な情報を好みの方法で入手し、営業担当者に売り込まれることなく自分のペースで進めたい。そして、自分のことを理解してくれる企業から購入したいと考えている。優れた顧客体験は、価格や商品そのものよりも重要な意思決定の基準になっている。
現在は、営業が接触する前の「顧客による調査・評価」のプロセスが重要度を増しており、商談になって以降のプロセスを細かく管理していくだけでは不十分である。リードを商談プロセスのように、検討ステージに合わせて分解し、その時、顧客が求めている情報を提供するコミュニケーションができれば、競争優位となる。