トレイルブレイザー 企業が本気で社会を変える10の思考

発刊
2020年7月31日
ページ数
351ページ
読了目安
513分
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セールスフォース創業者が語る経営で最も大切なこと
セールスフォースの創業者が、企業の価値観を決め、企業文化を構築することこそが、経営において最も重要なことであると説く。セールスフォースの過去の成功や失敗から、どのように企業が成長し、何を大切にしてきたのかが書かれています。

セールスフォースの成功要因とは

1999年にセールスフォースの法人登記書類に署名した時、企業文化の中に社会の役に立つという信念を確実に根付かせたいと考えていた。そこで、根幹となるバリュー(価値観)を真っ先に決めることにした。

当初のバリューは「信頼」「カスタマーサクセス」「イノベーション」だったが、その後4つ目として「平等」を加えた。会社がどれだけ大きくなろうとも、製品の1%、株式の1%、就業時間の1%を慈善目的に使う「1-1-1モデル」を実施することも決めた。

 

2004年に上場した時に10億ドルだったセールスフォースの時価総額が1200億ドルを超えるまでに成長した主な理由は、ソフトウェアでも、従業員でも、ビジネスモデルでもない。最大の要因は「バリューに基づいた企業文化にする」という1999年の意思決定にある。

 

何をすべきかが重要である

ビジネスの倫理基準は、誰か1人だけが担っているのではない。社会的な問題が企業のコアバリューと衝突する時にCEOが目を背けることができないのと同様に、従業員もまた、経営陣がどんな決断をしようとも、自分たちの権限では何もできないと見て見ぬふりをすることは許されない。経営陣がコアバリューに基づいて行動しないならば、あらゆる階層の従業員が説明責任を負わなければならない。

過去には、良心を持つことは、概ね企業のバランスシート上では「その他」に分類される類のことだった。しかし、現在は違う。バリューが価値を創出するという概念を受け入れない限り、どんな企業であれ今後は成功しない。

 

近い将来、私たちが生きるためによって立つ信条についてどのように議論し、実践していくかが、あらゆる企業において成功に欠かせないものになる。それは責任ある企業市民として行動することが単に正しいからというだけでなく、消費者がそれを要求するからだ。

会社が何をしていようと、顧客が誰であろうと、真の価値は1つのことに尽きる。自分の支持するものが何であるかを忘れないということだ。

 

企業文化はすべてに勝る

企業文化は単なる特典や無料サービスよりもはるかに重要なものだ。それは基本的に、自分たちのコアバリューを定義して表現する方法と言える。

自分の価値観と共通するコアバリューを掲げる企業で働きたいと思う人が増えている。特に若い世代の従業員は、自分の仕事に高い目的意識を持たせたいと考えている。自分の会社が世界の状況を改善することに確実にコミットして欲しいのだ。

 

創業以来、セールスフォースの企業文化の象徴は、驚くほど基本的なものだ。主な企業文化の1つが、企業の壁を越えて世の中に関わるためにコミットすることだ。従業員はコミュニティを支援し、バランスの取れた生活を送り、他の人たちの成長を助けたいと思っている。また、顧客や他社を成功させたいと願っている。

セールスフォースの企業文化に「秘密」があるとすれば、バリューに沿って行動することが真の帰属意識を生み出す方法になっていることだ。素晴らしい企業を一緒につくるために一生懸命に働き、コミュニティで共に社会貢献をすることを重視する中で、徐々に絆を強めてきた。何よりも重要な2つの要素は、ボランティア活動や社会貢献に対する共通のコミットメントと、顧客サービスにおける共通ミッションである。

 

成長し、その状況が長く維持するには、人目を引くバリューをずらりと並べる必要はなく、ただ本物があればよい。バリューを偽ることはできない。企業文化が偽物や中途半端なものであれば、その会社は最終的に傾いていくだろう。

参考文献・紹介書籍