教え子が成長するリーダーは何をしているのか

発刊
2017年6月23日
ページ数
206ページ
読了目安
186分
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人を育てるための大原則
「部下が自分の言うことを聞いてくれない」「相手が伝えたとおりに行動してくれない」といったリーダーの悩みを解決する一冊。AKB48など、数々の教え子を持つ、振付師の著者が、人を育てる方法を紹介しています。

人を育てるには、言葉の使い方が重要

人の育て方というのはその人の個性によって左右されるため、誰にでも当てはまるような画一的なノウハウというものは存在しない。でも画一的なノウハウは存在しなくても、人を確実に育て上げ、優秀なリーダーとして認められるようになるための「大原則」は存在する。その大原則は「言葉」である。人を育てるための「言葉の使い方」こそ、いいリーダーになれるかどうかの、大きな要因となっている。なぜなら言葉の使い方次第で相手との適切な距離感は生まれ、成長するか、停滞してしまうかが大きく決まってしまうからである。

人を育てるには、自分が言いたい言葉ではなく「成長言葉」で話しかける。「成長言葉」とは、相手の成長を促す言葉のことを指し、「自信を与える言葉」「道を示す言葉」の2つの言葉のことを指す。

相手の成長を促す言葉で話しかける

「成長言葉」に効果があるのは、部下や教え子は仕事の成功や失敗よりもはるかに、リーダーの言葉によってモチベーションが激しく上下するからである。うまくいかないと悩んでいるリーダーは例外なく、ここを見落としている。

優しげな言葉では効果が出ないからこそ、「成長言葉」が大きな威力を発揮する。言葉を使うポイントは大きく分けて「褒める時」と「叱る時」。状況にあった「成長言葉」を使えば、必ず相手の心を動かすことができる。

一体一で向き合い、成長言葉を探す

成長言葉の方向性は「自信を与える言葉」と「道を示す言葉」の2種類しかないが、そのバリエーションは無数にある。よって、言葉で人を育てる第一歩は、相手によって使う言葉を変えることである。自分が好んで使いたいと思う「押しつけ言葉」ではなく、相手が好む「成長言葉」で話すよう心がける。

「成長言葉」で人を動かすためには、まずは相手がどんな言葉を好むのかリサーチすればいい。課題を与えた時のリアクションやちょっとした会話の端々から、相手が今どんな言葉を欲しているかを探っていけば自然と「成長言葉」は見えてくる。重要なことは、一対一で向き合うことである。この基本をおそろかにしては「成長言葉」は見つからない。

成長言葉の三原則

部下の成長言葉を見つけるには、次のステップを踏む。

①信頼関係を築く
良好な関係が構築できていないと相手も警戒して、素の自分を見せてくれない。話をする時に目を合わせようとしないのであれば、信頼関係ができていない可能性が高い。

1. 「一対一」で話し、相手が目を合わせるかで分類する
2.目を合わせないグループは経過を観察する
3.改善の兆しが見えなければ個別に話しかけ、経過観察に戻る

②部下が自分をさらけ出しやすい環境をつくる
やる気はあるのに本気を出そうとしないのは、多くの場合「評価」を恐れている。「実力差」よりも「努力差」、つまり頑張る力の方が大事なのだから、全力で仕事に取り組んで、どれだけ頑張れるかを見せて欲しいと、しっかり伝える。

③観察する
観察のポイントはただ一点、相手の状態が「いい感じ」か「悪い感じ」かを見るだけでいい。「いい感じ」だった時の対処法は、褒めて波に乗せるか、くぎを刺すか2通りしかない。
部下の状態が「悪い感じ」になっている時には、その原因を探る。ほとんどの場合、原因は「体調」「プライベート」「自信がない」「やる気がない」「ある種の自己主張」のいずれか。軽い会話を持ちかけて、その反応から「消去法」で絞り込んでいく。