シリコンバレー式 最強の育て方 ― 人材マネジメントの新しい常識 1 on1ミーティング―

発刊
2017年9月13日
ページ数
224ページ
読了目安
229分
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シリコンバレー式の部下をマネジメントする方法
シリコンバレーでは当たり前になっている部下のマネジメント手法「1on1ミーティング」を紹介している一冊。優秀な社員の退職を防ぎ、社員が自発的に動くようにするために大切なことが書かれています。

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間である。一般的な面談との大きな違いは「これは部下のための時間」ということである。上司は時にカウンセラーのように部下の話を聞き、部下の状況や問題、関心事を把握する。そして時には、その場でアドバイスをして解決することを行う場である。

結果として、部下の気持ちがスッキリしたり、納得感を持ったり、次のチャレンジへ行動していこうとすることが最も重要なことである。1on1の頻度は、最低でも月1回。部下との関係構築ができていない内は月2回の頻度で関わると変化が表れてくる。

部下個人に焦点を当てて、部下の状態を知ることが上司の務め

組織の課題には、人が育たない、優秀な人が辞めてしまう、チームに活気がない、といった「人」に関することが大きい。その根本的な原因は「個人に焦点を当てた対話の不足」にある。個人に焦点を当てた対話とは、部下個々人が業務やキャリア、プライベートについて考えていること、または感じていることをマネジャーに語って聞いてもらうことである。

部下とのコミュニケーションは十分にとっているというマネジャーも多い。しかし、それは業務に焦点を当てたいわゆる「仕事の話」であることが多い。これはコミュニケーションをしているというより、「特に短期的な結果を出すための情報交換」をしているだけである。

個人に焦点を当てた対話の目的は「部下との信頼関係づくり」や「部下の不安解消」「部下の心身状態の確認」など、部下自身に関することである。1on1では、この対話が行われる。情報交換ばかりで対話が行われていないと、結果を出すための土台となる「心身の健康」や「仕事への想い」「成長実感や能力開発」などが疎かになるので、継続的に結果を出し続けることが困難になる。

1on1ミーティングで話し合う7つのテーマ

1on1ミーティングで話し合うテーマは7つに分類される。普段あまり話さない抽象度の高い話を中心に、主に視点は中長期で。そして、上司が話を誘導するのではなく、その場の雰囲気や部下の状態に共感しながら、部下の立場に寄り添って話をすること。

①プライベート相互理解
いわゆる「雑談」的な要素が多い。場を柔らかい雰囲気にしたり和ませることができる。

②心身の健康チェック
心身の状態や業務量、業務時間などを確認する。

③モチベーションアップ
モチベーションを下げる要因を取り除くため、部下の話を聴ききる。そして、部下の良い言動や結果を伝え、褒めることでモチベーションを高める。

④業務・組織課題の改善
業務改善(現状業務の把握、改善)と組織改善(組織への貢献)について話し合う。部下の視野を広げ、中長期的に結果を出す。

⑤目標設定/評価
部下が評価に納得感を得られるように、日頃から接触頻度を増やして、目標へのフィードバックや承認を行う。

⑥能力開発/キャリア支援
業務を通しての部下の気づきを促して部下個人の能力とキャリア開発をサポートする。

⑦戦略・方針の伝達
上の階層で決められた戦略や方針をタイミングよくわかりやすく部下に伝えて、理解浸透を図っていく。情報を与えられた部下は、視野が広くなり、材料を持てるので自分で考えられるようになって自ら動き出す。