「自分でやらない」ほうがうまくいく

発刊
2026年9月28日
ページ数
240ページ
読了目安
218分
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企画やプロジェクトを成功させるための仕事術
人気ラジオディレクター、プロデューサーの仕事術。これまで様々な人気ラジオ番組やイベントなどを成功させてきた著者が、企画を考える時に大切にしていることや、仕事の基本姿勢などを紹介しています。

ある意味で熱意とは距離を取り、俯瞰した視点で、仕事を成功させるためにはどうすれば良いのかを、淡々と書かれています。特にコンテンツやイベント、プロジェクトの企画を考え、実行するような仕事をする時に役立つ内容になっています。

第一希望のアイデアを目指す

企画を考える時、「最適解」ではなく、常に「最上解」を目指す。「最適解」は制約条件の中で効率を重視しながら最良の答えを出すのに対し、「最上解」は、コスパに関係なく出した最上の答えのこと。実現できるかは置いておいて、まずは与えられた条件の中で一番面白い企画、結果を出せる企画を考える。実現するのは簡単ではないし、課題もあるが、みんなが驚き、面白がってくれて、みんながその企画をやってみたくなることが大事である。

 

ラジオのレギュラー番組を担当していた時も、番組にとって一番いいゲスト、数字の取れるゲストを呼ぶことに妥協しないようにしていた。みんなが無理と言っても、出演の可能性がゼロでない限り、選択肢から除いてはいけない。誰も思いつかないし、やろうと思わないけど、形になると「なるほど、その手があったか」と思わせること。労を惜しまず、第一希望のアイデアを実現する。いい企画とは、そういう突拍子もなく、妥協のないものである。

 

熱意と論理性のバランスを重視する

企画がどのような結果を生むのか、デメリットをどう捉えているのか、そこまで考えていない「ただやりたいだけ」の企画は少なくない。だから、企画をジャッジする時は、想定されるデメリットを聞き、明確な理由をもってダメ出しする。そうしたやり取りを経て改善された企画や、論理的に考えられた企画であると認められたら、最後に企画者本人にとってやりたいことなのかどうかを聞く。「やりたい」がない企画もうまくいかないからである。人に認められるコツだけを押さえたような企画を、本人が最後まで責任を持ってやり通せない。

 

数を打って当てようとするのは、思いつくまま出すだけなので、方法としては簡単である。しかし、それで企画が通ったとしても「本当はあっちの企画の方が良かった」などと言い訳をして身が入らなくなる。いい企画とは、熱意と論理性のバランスの取れた企画である。

 

「ちょっと良くする」ことにこだわる

誰でもできることを、ちょっとだけ良くする。それを繰り返してきた結果、自然と自分の望む形で仕事ができるようになっていった。人の話をよく聞き、相手の要望を汲み取って、自分なりにアウトプットする。相手に喜んでもらえるように、できることは頑張る。

自分が関わる以上は少しでもいいものを作りたいという気持ちが、こうした「ちょっと良くする」ための行動につながる。そこで軸となるのは、自分ではなく他者である。ちょっと良くなった結果は、一目でわかるほど目立つものではない。しかし、ちょっと良くなったことが伝わると、また次も選ばれるようになり、それが自分だけの仕事になる。

 

ちょっと良くすることのためなら手段を選ばない。変なこだわりやプライドを持たずに、すぐにアドバイスを聞きに行く。番組や企画が良くなるためなら、自分のアイデアにもこだわらない。「自分の色を出す」「セルフプロデュースに力を入れる」といったことが、自分じゃないとできない仕事になるとは限らない。

 

ゴールに向かってまっすぐ進む

企画において一番大事なのは、ゴールである。「何のためにその企画をやるのか」を最初に設定・共有し、そこへ向かってブレずにまっすぐ進む。それができれば、企画は成功と言える。ゴールが描ければ、そこへ向かうにあたっての具体的な障害、課題も浮かび上がってくる。そして、課題を解決し、障害をなくしながら進む。企画を形にするということは、その繰り返しである。

 

どんなに一生懸命準備をしても、誰に向けて、何を届けたいのか、それが伝わってこないと意味がない。本当にやりたいことからズレてしまったものは、妥協した企画に見えてしまう。

ただ、ゴールに向かってまっすぐ進むとは、最初に決めたこと、考えていたことを何も変えずに貫くことではない。様々な事情で変えざるを得ないこともあるし、ポジティブな意味で変えることもある。

 

前提を疑う

自分にできることは何でもやる。発想の逆転も試みる。できないと言われたからといって、簡単には諦めない。それが基本姿勢である。企画に対してNGを出された時も、ただ引き下がるのではなく「どうすればOKなのか」と確認するようにしている。ダメな部分があるなら、それをクリアすれば問題は解決するはずだからである。

 

ただ、時にはあえて逆説的な問いかけをすることもある。それは、根拠が曖昧な感覚値だけで判断されそうになった時である。この逆転の発想は、固定概念を覆すことにも有効である。人が嫌がりそうなこと、面倒くさいなと思っていること、当たり前だと思っていること、そこに突破口がある。だからこそ、「それの何がダメなんですか」「面倒なだけじゃないですか」と突っ込んでいくべきである。

正攻法にとらわれず、当たり前を疑って発想を逆転させれば、また違った切り口のアイデアが浮かんでくる。