現場目線のプロジェクトマネジメント技術

発刊
2026年1月26日
ページ数
272ページ
読了目安
548分
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実践で使えるプロジェクトマネジメントの技術
プロジェクトマネジメントの知識を学んでも現場でうまく活用できないという問題に対して、現場での実践において役立つ内容を紹介している一冊。

プロジェクトの成否を分けるのは、「人」であるとし、どのように人をマネジメントできるかが重要なポイントであると解説しています。プロジェクトマネジメントの基本的な知識に合わせて、プロジェクトメンバーやステークホルダーをどのようにマネジメントすれば良いのかが書かれています。

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトの成功率を高めるには、現場の課題を正しく捉え、適切な対策を講じることが不可欠である。プロジェクトマネジメントの実戦では、一般的にプロジェクトに関わるヒト、モノ、カネ、技術、情報といった資源を上手に活用し、QCDS(品質・予算・納期・対象範囲)をバランスよくマネジメントして、プロジェクトの目標を達成することを目指す。プロジェクトの目標を確実に達成するには、プロジェクトの進行状況を適切に把握し、適時に意思決定と調整を行うことが求められる。

 

プロジェクトマネジメントの基本的な流れは、次の通り。

  1. プロジェクトの課題やニーズを明確にする。
  2. 課題やニーズをもとにプロジェクトの目標を定義する。
  3. 目標を達成するための段取りを作成する。
  4. 段取りをもとにスケジュールを確定させる。
  5. スケジュールをもとにプロジェクトを実行し、進捗状況を確認する。
  6. スケジュールとのズレが生じた場合、対策を意思決定し、調整を行う。
  7. 5〜7を目標達成まで繰り返し実践する。

 

プロジェクトが失敗する理由

プロジェクトの失敗には、計画の不備だけでなく、人間関係や心理的な要因、対応力の欠如といった複雑な要素が絡み合っていることが多く、単純な成否の判断では見落としてしまうポイントも多い。プロジェクトが失敗しやすい理由には、以下のものがある。

 

・プロジェクトの進め方の問題

  1. 不明確な目標と要求
  2. 不十分な計画
  3. コミュニケーションの欠如
  4. リソースの不足
  5. リスク管理の欠如
  6. 変化への対応力不足
  7. ステークホルダーの不一致
  8. 不適切なプロジェクトマネジメント手法
  9. 品質管理の不足
  10. スコープクリープ(作業対象範囲の計画外の拡大)

 

人間の行動が引き起こす問題

  1. 学生症候群:期限が迫るまで作業を開始しない傾向
  2. 早期完了の未報告:タスクが予定より早く完了しても、それを報告せず、与えられた時間を使い切る事象
  3. パーキンソンの法則:仕事は与えられた時間をすべて使い切るまで膨張するという原則
  4. 悪いマルチタスク:同時に複数のタスクを行い、1つ1つのタスクの効率や質が低下する
  5. 心理的安全性:メンバーが自由に意見を言ったり、質問や提案をしたりできる環境
  6. グループシンク:グループの調和や一致を重視し、批判的思考や異なる意見が抑制される
  7. コミットメントの欠如
  8. フィードバック不足
  9. 適切な役割分担の欠如
  10. リーダーシップの欠如

 

プロジェクトの成功には、進め方の問題に対応するだけでは不十分であり、最終的にはプロジェクトを進める「人」の行動こそが、成功を左右する最大のポイントになる。

 

チームを構築し、目標をすり合わせる

プロジェクトの成功は、何よりもチームの結束と効果的な協力体制にかかっている。特に新しいチームをゼロから結成する場合、短期間で信頼関係を築き、チームとして機能させなければならない。

新たに結成されたチームでは、まずメンバー同士が自然に話せる環境を作ることが重要である。また、プロジェクト活動を通じてチームワークを強化する工夫も不可欠である。定期的なミーティングを設定し、進捗や課題を共有することで、メンバー同士の信頼関係が深まる。効果的なチームビルディングを実現するためには、リーダーシップが重要な役割を果たす。リーダーは信頼の構築に努め、透明性のあるコミュニケーションを心がけ、メンバーの意見を尊重することでチームの信頼感を高める。

 

プロジェクトの体制図は、プロジェクトの活動と、それを実行する組織の関係を階層的に示したものである、この図を使うことで、誰がどの役割かを明確にし、指揮命令系統を一目で把握できるようになる。以下のポイントを遵守することで、体制図がより効果的なツールとなり、プロジェクトの成功に大きく貢献する。

  • 役割を明確に記載する。
  • 指揮命令系統を明確にする。
  • 支援的役割のチームと個人も配置する。

 

プロジェクトの成功には、プロジェクト外の関係者の協力も不可欠である。プロジェクトマネージャの重要な役割の1つは、プロジェクトの協力者を確保し、良好な関係を維持しながら「いざ」という時に助けてもらうことである。

  1. ステークホルダーを特定する。
  2. ステークホルダーを理解し分析する。
  3. 優先順位を付ける。
  4. コミュニケーションをとる。
  5. 新たなステークホルダーの出現を気にかける。

 

プロジェクトを成功させるためには、明確でブレない目標設定が不可欠である。目標が曖昧だと、それぞれが異なる認識のまま進めることになり、方向性がバラバラになる。その結果、計画のズレが発生し、手戻りや不要な作業が増え、プロジェクト全体の効率が低下してしまう。

目標を明確に定義するためには、次の5つの項目を確認する。

  • 背景:なぜこの取り組みが必要なのか
  • 目的:何を達成したいのか
  • 成果物:最終的なアウトプットは何か
  • 成功基準:取り組みとスコープ、完了状態を判断できる基準は何か
  • チェックポイント:進捗を確認するマイルストーンは何か