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SNSで農業革命

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2014年9月23日
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推薦者

SNSを使って農業ビジネスを行う方法
持ち金30万円で脱サラして農業を始め、ゼロからワイナリーを起業した著者が、SNSを使った農業ビジネスのテクニックを紹介している一冊。

日本一小さなワイナリー

2005年にたった1人で長野県東御市に移住し、農業を始めた。後ろ盾もなければ、知人も1人もおらず、新規就農者のための長野県東御市の「支援プログラム」を通して土地を借り、様々な審査や手続きを経て移住した。当時その場で現金化できるお金は30万円ほどだった。移住後、すぐに「はすみふぁーむ」を立ち上げた。少しでも自分の農産物をアピールできればと、ブログ、メルマガ、ホームページを研究しながら、毎日泥まみれになり、ただただコツコツと農業を続けてきた。

 

転機が訪れたのは2010年。ぶどうは木を植えてから収穫できるようになり、それを醸造してワインとして出荷できるようになるまでに、少なくとも3〜4年かかる。そのため移住以来、野菜や米を作って生計を立てていたが、2010年にようやく「はすみふぁーむ」ブランドのワインをリリースできるようになった。同じ年に、ワイナリーの建設を開始し、「日本一小さなワイナリーはすみふぁーむ&ワイナリー」が誕生した。

そして、自分のブランドのワインをなんとかして多くの人に知って欲しいと、フェイスブックとツイッターを始めた事が、農業人生を飛躍的に成功に導いた。

 

これからの農業に必要な2つのこと

農業は1次産業である、一方、ワインは農産物に付加価値のついた加工品であり、ワインをつくって販売する事はいわゆる6次産業「1次産業(農業)×2次産業(加工)×3次産業(販売・サービス)」にあたる。これからの農業の発展に必要なのは、「SNSの活用」と「6次産業化」の2点である。

 

現在、農家が作った野菜は、農協、市場を通して店頭に並び、消費者の食卓にのぼるという流れが主流である。これは戦後すぐにできたシステムで、それが今も脈々と受け継がれている。ただ、戦後の生活と今の私達の生活はあまりにも変わった。農業も1つのビジネスととらえるなら、顧客の生活が変わったのなら、ビジネスのやり方も変わって当然である。

 

農業は本来1次産業であるため、農家は野菜を作ったらそれで仕事が終わる。農協を通して流通にのせて販売した場合、農家が作った農作物の市場での販売価格を決めるのは農家自身ではない。だが、6次産業化した場合、農家自身で価格を設定でき、付加価値をつける事で、より高値で販売可能となる。

どんな商品でも、手塩にかけて畑で育て、苦労して加工した以上、1つ1つの作業に物語がある。6次産業である以上、1次から始まって、2次、3次と紆余曲折の物語がある。その物語こそ、付加価値をさらに大きくし、農業をより活性化できる。この物語をタイムリーに発信するのに最高のツールがSNSなのである。

 

フェイスブックの使い方

ネットショップで自社農場製品を販売する事はすでに多くの会社や農家が行っているが、ネットショップを訪問される方々は、元々商品を購入する気持ちがある場合がほとんどである。しかし、フェイスブックのユーザーは「交流」する事が目的の事がほとんどである。よって過度な営業活動は場違いで、かえって顧客が離れていく。フェイスブックでは商品の売り込みをするのでなく、ブランドをPRしていき、自身のブランドを築くツールとして使う方が効果的である。

 

フェイスブックでは、あくまでブランディングを目的とし、自身の活動や商品の情報などを書き込むが、そこにさりげなくリンクを張っておく。リンク先はブログでもホームページでも良いが、そこでしっかりとした売り込みがあると良い。そして、最終的にホームページ上に作ったショッピングカートまで誘導できる形にする。見た人にとにかく気をとめてもらうには、分かりやすさがポイント。写真があるのとないのとでは反応がまるで違う。

 

農業というものは春の種まき、夏の炎天下での作業、そして秋の収穫、さらには冬の剪定や土づくり等、四季を通じて作業があり、同じ数だけドラマがある。そういった作業の1つ1つを解説してタイムラインに掲載する。農業にはブランディングに必要不可欠な、感動の要素が盛りだくさんである。