イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル

発刊
2012年1月18日
ページ数
323ページ
読了目安
524分
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破壊的イノベーターの5つのスキル
本書は、『イノベーションのジレンマ』のクリステンセンが贈る、イノベーションの源泉となる「人とその能力」についての考察である。

画期的な製品・サービスを開発した100名近くの人々と、革新的なビジネスアイデアを事業化し、市場のルールを書き換えた企業の創業者やCEOにインタビューを行う等し、イノベータDNAと呼ぶ5つのスキルを導きだす。

イノベーションのDNA

イノベーティブな起業家に共通して優れている5つのスキル(イノベーションのDNA)は、関連付け、質問、観察、ネットワーキング、実験である。
質問、観察、ネットワーキング、実験は、継続的に携わることで、新しい事業、製品、サービス、プロセスの源泉である関連づける思考を刺激する。

 

①関連付け思考力
イノベータは一見無関係に見える疑問や問題、アイデアを結びつけ、新しい方向性を見出すことができる。他の4つのイノベーションDNAのスキルを繰り返し活用すれば、思いがけない関連付けが誘発される。

 

②質問力
イノベータは質問の達人で、物事の探求に情熱を燃やす。彼らは現状に異議を唱えるような質問を良くする。物事がいまどうなっているのか、なぜそうなのか、どのように変え、破壊できるかを理解する。このような質問が全体として新しい洞察や結びつき、可能性、方向性を誘発する。

 

③観察力
イノベータは飽くことを知らない観察者である。周りの世界に注意深く目を光らせ、観察を通して新しいやり方のもとになる洞察やアイデアを得ている。

 

④ネットワーク力
イノベータは、多様な背景や考え方を持つ人達との幅広いネットワークを通じて、アイデアを見つけたり試したりするのにかなりの時間と労力を費やしている。

 

⑤実験力
イノベータはつねに新しい経験に挑み、新しいアイデアを試している。実験者は頭の中で、また経験を通じて、世界を飽くこと無く探求し、判断を留保しながら様々な仮説を検証している。

 

イノベータに共通する姿勢

①現状を変えたいという意志に燃えている
②変化を起こすために、常にリスクを認識した上で、自らの責任で果敢にリスクを取っている(スマートリスク)

 

イノベータDNAを組織に適応する

イノベーティブな組織のDNAには、創業者のDNAが組み込まれている。イノベーティブな組織を作るには、次の3つの枠組みが重要である。

 

①人材
イノベーティブな企業は総じて、5つの発見力に優れた人材を遥かに多く有している。また、一般的な企業に比べて、発見志向型の人材を戦略的に有効活用している。

 

②プロセス
イノベーティブな企業は、リーダーの個性や行動を反映する文化を持っている。リーダーは自らの発見行動を反映した組織プロセスを作ることで、自らのイノベータDNAを組織に組み込む。

 

③哲学
イノベーティブな組織は、次の4つの哲学によって支えられている。
(1)イノベーションは全員の仕事である
(2)破壊的イノベーションにも果敢に取り組む
(3)適切な構造を持った少人数のイノベーションプロジェクトチームを数多く用いる
(4)イノベーションの追求においては、スマートリスクをとる