消費者はなぜブランドをスイッチするのか
特定カテゴリーの中で、消費者が今まで購入していた特定ブランドから、別のブランドへ購入を移行する購買行動を「ブランドスイッチ」という。消費者がブランドをスイッチする購買行動を起こすには、以下の具体的なきっかけが存在する。
- 商品・サービスへの不満
- 競合のプロモーション
- 信頼できる人物からのおすすめ
- 商品を使い切った時
ブランドスイッチを防ぐためにブランド側ができることは、1の商品・サービスへの不満をいかになくすかが重要で、本質的な解決策である。残りの234は、ブランドとしては不可抗力だが、自社ブランドが選ばれる仕組みの構築や、選ばれる可能性を広げておくことを怠ってはいけない。
ブランド側は以下の問いに対して明確に答えを持ち、こうすればターゲットを獲得できるという戦略を設計する必要がある。
- 消費者にどのような情報を伝えれば、自社ブランドに対して興味を持ってくれるのか?
- 消費者にどのような体験・サービスを提供すれば、自社ブランドを選んでくれるのか?
- 消費者がどのような行動をしてくれれば、新しいお客様を連れてきてくれるのか?
選ばれるブランドになるために必要なこと
売れているブランドは、消費者の解像度を上げて、あくまでも消費者が主人公という設計で、マーケティングを実行しているケースがほとんどである。売れているブランドと売れていないブランドの違いは、次の5つの要素の総合得点の違いであり、どれか1つでも競合に負けていれば、競合ブランドが選ばれる可能性がある。
- 人気がある
- 口コミが多い
- ランキングの順位が高い
- 選ばれている理由がわかりやすい
- 露出が多い
1のみならず、2〜5をすべて最適化することが、好意度の最大化、購入の最大化にとって重要である。
消費者に選ばれるブランドになるためには、競合との商品の差別化ではなく、競合よりも好意度を上げることが最も重要である。あくまでも消費者は、自分に最適なブランドがどれであるかを様々な情報をもとに選択している。そして、その選択をする難易度(価格や機能など)で、必要な情報量が変わる。どの情報をどこで与えるべきか、どうすれば購入までスムーズに完了してくれるのか。ブランドが考えるべきことは、常に「消費者が求めていることは何か?」に対する答えを見つけることである。
消費者からの直接の声を聞かない限り、ほとんどの場合、ブランドの思い込みでマーケティングが実施されるため、結果が出ない場合が多い。消費者へのアンケートなどを徹底的に実施し、消費者の解像度を上げることが、結果的により多くのお客様に支持されるブランドを作り上げることになる。
消費者はブランドをどうやって選ぶのか
消費者は次の3つのタイミングを経て、購入に至る。各フェーズごとに、消費者が求めている情報を適切に与えることが重要である。
①認知フェーズ
消費者は画像・テキスト情報をもとに、自分ごと化できそうなブランドであるかを瞬時に判断する。従って最初の接触ポイントをどう設計するかが非常に重要である。認知させるために特に重要なのはテキスト情報である。
②確認フェーズ
ブランドを認知した後、消費者は次の3つの確認を行う。
- 信頼できるブランドなのか
- みんなはどう思っているのか
- 本当に選ばれているのか
③最終検討フェーズ
確認フェーズの23まで進んでも、何かしらの理由で購入まで気持ちを持っていくことができない消費者は少なくない。このフェーズでは、今このタイミングで買うべきかどうかを判断する「納得感」につながる情報を与える必要がある。
消費者が買わないシンプルな理由
消費者は、以下のようなフローで購買を決定する。
- 常に今より良い生活で暮らしたいという欲求を持っている
- その欲求を満たせる商品が見つかれば、購入を検討する
- 自分が納得する合理的な見解があれば、購入を決断する
- 購入完了までに何も邪魔が入らなければ、購入を完了する
1〜4のフローの通り、消費者は常に自分ごと化できる商品を探している。そして、この消費者が求めている情報や商品が、ブランドが提供したい情報や商品と噛み合わないと、消費者は自分ごと化できない。
消費者は常に自分が主人公という立場で情報を探している。だからこそ、ブランド主体のメッセージではなく、ブランドが提供できる情報がいかに消費者にぴったりな情報だと消費者に気づかせることが正しいコミュニケーションである。
購入意思を最大化する方法
消費者に与える情報を工夫することで、確実に消費者の購入意思を高めることができる。ECで使える心理テクニックは、『影響力の武器』に記載されている6つの法則に集約されている。
- 返報性の原理
- コミットメントと一貫性
- 社会的証明
- 権威
- 希少性
- 好意
競合ブランドよりも、消費者の感情を動かすメッセージを発信しなければ、ブランドの発展の可能性は低く、消費者の感情を動かす総数が多いブランドが必ず勝つ。