KGBスパイ式記憶術

発刊
2019年2月1日
ページ数
360ページ
読了目安
395分
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記憶力を短期間で高める方法
諜報機関で必要とされる記憶力を短期間で高めるための練習問題集。スパイ養成の演習というストーリーで、問題を解いていくことができます。

小さな情報のかけらから全体像を再構築する

現実の諜報活動とは情報を扱うことに他ならない。小さな情報のかけらを集めて全体像を再構築すること。それが諜報員の仕事である。

一流のスパイには、見聞きしたことの中に重要な情報があれば、どんなに小さなことでもそれに気付き、その情報を既に知っていることとリンクさせて解釈できる能力が不可欠だ。

記憶力を高めるとは

人間の記憶力で主に問題となるのは、情報を記憶できるかどうかではなく、記憶した情報を必要な時に呼び出して再現できるかどうかだ。記憶力がよくなる素質は誰にでもある。その素質を開花させるには、様々なテクニックの習得が必要である。

人間の脳は視覚的イメージを記憶するのが得意である。そのため、情報を記憶するためのテクニックは、ほとんどが抽象的な言語情報や数値情報を想像力によって視覚的イメージに転換するという手法を用いている。

記憶術の3原則

記憶術には様々なものがあるが、どの記憶術にも3つの原則が当てはまる。

①関連づける
脳は、様々なイメージや概念を互いに結び付けるのが得意である。記憶力の良さは、覚えているかどうかよりも情報を呼び出せるかどうか。何かを覚える場合、既に知っていることに関連付ければ簡単に覚えることができ、連想の鎖を使えば必要に応じてすぐに思い出すことができる。

②情報を視覚的にイメージする
記憶力をよくするには、想像力を使って視覚的にイメージすることが極めて重要だ。視覚的イメージは言葉や数字よりも簡単に記憶できる。記憶術の第一原則と第二原則は、併せて使用する。

③感情を伴わせる
人間はエネルギーを節約することを好み、余計なことをやりたがらない。そして脳は、最も強烈な感情を伴うことを最優先しようとする。つまり、記憶力は感情によって活性化される。普通の人は、数年前の出来事を思い出して欲しいと言われたら、ほぼ間違いなく人生の節目となる出来事を思い出す。

情報をグループ化する

注意力とは、情報を選択的に認知し、必要なことだけ見聞きして、余計なことは無視できる能力だ。注意力を鍛えると、注意力をコントロールできるようになる。瞬時に集中したり、1つのことに対する注意力を必要に応じて長時間持続させたり、次の行動に移ったらすぐ次のことに注意を向けることができるようになる。

注意力の大きな特徴は、普通の人が一度に情報(単語、数字、物、アイデアなど)の数は、5〜9個が限度と言われている。この数を超えるのはほぼ不可能だが、情報をグループ化すれば、この制限をうまく超えることができる。

復習することで記憶を定着させる

情報の大部分は、覚えた直後の1時間以内に忘れてしまう。しかし、反復によって忘却率を下げることができる。段階に分け、時間をおいて覚えたことを復習すればするほど、記憶に残すことができる。覚える時間が1日しかない場合、最も効果的な復習のタイミングは次の通り。

1回目:覚えてから15〜20分後
2回目:6〜8時間後
3回目:24時間後

復習する際には、繰り返し聞いたり読んだりするよりも、覚えたことを図や文字にして書き出したり、必要なら元の情報を確認したりして、能動的に行う方が良い。覚える時間をもっと長くとれる場合は、次のように復習すると効果的である。

1回目:最初に覚えた同日中
2回目:4日後
3回目:7日後

覚える量が多い場合は、詳しさの度合いを変えて復習するとよい。1回目は全体的に復習し、2回目は重要ポイントのみ、3回目は全部を復習するにしてもグループ分けや順序を変える。詳しく復習した情報ほど簡単に思い出すことができる。