プレゼンは「目線」で決まる No.1プレゼン講師の 人を動かす全77メソッド

発刊
2015年6月19日
ページ数
256ページ
読了目安
278分
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相手の目線をうまく利用するプレゼン技術
マイクロソフトのエバンジェリストである著者が、人を動かすためのプレゼンのテクニックをまとめた一冊。相手の目線をうまく誘導して、メッセージを伝えることの大切さを説いています。

プレゼンは「目線」で決まる

「相手の目が見ていないもの」について伝えても、99.9%理解されない。人間の脳は「いま目で見ている情報」だけを理解しようとし、それ以外を「ノイズ」として無視する。だから、何かを伝えたければ、まずはそれを「見てもらう」事が大前提である。

伝わる人は、「自分が伝えたいこと」と「相手が見ていること」を一致させる「視線誘導」ができている。優れたプレゼンターは、常に聞き手の目線を確実に掴んでいる。これこそが、プレゼン上達のための、最も効率的な方法である。

視線誘導を意識したプレゼンは「スライド」「シナリオ」「トーク」の3つの要素から構成されている。

 

スライドで目線をリードする

優れたスライドは、聞き手の視線を誘導できるものである。例えば「こちらのスライドの2行目を見て下さい」と言った時に、100人の聞き手全員の目線が迷わずに「同じところ」に行くデザインになっているかが重要である。

 

①箇条書きの数を減らす
人間が直感的に把握できる数は3〜5程度。1つのスライドに表示する情報量は減らす。

 

②重複表現をなくし、1スライド1ワードにする
「文章」ではなく「短文・単語」を意識し、不要な言葉や重複表現を削除する。

 

③タイトルには「相手が起こすべき行動」を入れる
わかりやすいのは「動詞」を入れる。

 

④デザインに「統一感」を持たせる
「スライドマスター」を使い、各スライドのフォント、レイアウト、配置、書式を一括設定する。フォントは「メイリオ」1種類で十分。色は最大でも3色にする。

 

⑤「空白」でメリハリを出す
目線を向けて欲しい部分の周辺に「空白」をつくる。

 

⑥数字に視線を誘導する
数字は半角、3桁ごとにカンマ。単位のフォントサイズを2割ほど小さくする。

 

⑦3分割法を使う
画像を3×3に9等分し、2対1の比率で各要素の配置を考える。分割した線の「交点」に、人物や商品などを持ってくると、そこに視線を集める事ができる。

 

⑧上半分にキーワードを集中させる
矢印・チャートは「左→右」「上→下」。人間の自然な視線の動きに配置を合わせて、結論などの重要なメッセージは「スライドの上半分」に大きく置く。

 

シナリオで目線をリードする

魅力的なトークや見やすいスライドだけでは、長時間にわたって聞き手の集中を持続させるのは難しい。聞き手の目線をキープするには、適切なシナリオによる誘導が不可欠である。

 

①本題70%、その他30%の構成で話をする
本題以外の30%は「課題提起」にあてる。課題提起とは「私のプレゼンを聞いた方がいいですよ」という事を相手に説得する行為である。課題提起には、次の4つの疑問を解消する視点が不可欠である。

・なぜ「この話」は重要なのか
・なぜ「いま」伝えたいのか
・なぜ「私から」聞くべきなのか
・なぜ「あなたに」伝えたいのか

 

②冒頭では、大きな話題から始めて、小さな話題に移っていく
相手が理解しやすい話題からスタートし、徐々にこちらが伝えたい話に絞り込んでいく。

 

③「欲しい」と思わせるストーリーを入れる
聞き手に「欲しい、必要だ」という気持ちを持ってもらうには、次の3つの方法がある。

・サクセスストーリー:いま買うといい事がありますよ
・レアストーリー:いま買わないと、こんなに損しますよ
・ホラーストーリー:いま買わないと、困ったことになりますよ