シニアビジネスの新しい主役 Hanako世代を狙え!

発刊
2015年6月5日
ページ数
288ページ
読了目安
350分
推薦ポイント 2P
Amazonで購入する

Amazonで購入する

推薦者

最後の消費世代がやってくる
20代にバブル経済絶頂期を経験し、消費意欲が旺盛な世代が、もうすぐシニア市場に入ってくる。Hanako世代という現在51〜56歳の世代の価値観と、今後の消費行動のポイントを紹介している一冊。

Hanako世代とは

Hanako世代(1959〜1964年生まれ、現在51〜56歳)が、東京オリンピックが開かれる2020年には、シニア市場に登場してくる。彼らを「この先のシニア」と捉え、攻略する事が次なるビジネスチャンスとなる。有名人やタレントで言えば、松田聖子、黒木瞳、今井美樹、佐藤浩市、中井貴一などがこの世代にあたる。

戦後第一世代の団塊世代と、バブル絶頂期に20代であったHanako世代では価値観や消費意識が異なる。団塊世代は、高度経済成長期に「一億総中流」を目指して猛烈に働いたサラリーマンと、その妻である専業主婦が典型例だ。

 

一方、Hanako世代は、バブル経済を背景に「中流よりもワンランクアップ」や「人と差別化」を志向し、特に女子大生ブームや男女雇用機会均等法による女性登用機運に乗った女性が、世代価値観をリードした。雑誌「Hanako」の創刊時のキャッチフレーズは「キャリアとケッコンだけじゃ、いや。」に象徴されるように、独身時代は旺盛な消費意欲と広範な行動力を発揮し、その後ほとんどが結婚し、ファミリーを形成した。

 

Hanako女性の特徴

①自分が中心、いつまでも女性として輝く自分が何より大事
②夫とは対等なパートナー、子育ては自分の成果
③家事は自分の役割と認識しつつも、輝くためには外注もOK
④老化は少しずつ実感するも、美容・健康面でエイジレスを目指す
⑤老後は今の延長、できれば今よりもアップグレードしたい

 

Hanako世代と団塊世代の違い

団塊世代
・「生涯現役」でアクティブに老化防止
・ピークが過ぎても枯れない
・リタイア後の男性主導

 

Hanako世代
・「生涯主役」でプロアクティブに年齢不詳を目指す
・いつも今を盛りに「しおれない」「咲き続けたい」
・リタイア後も女性主導

 

Hanako女性にとって夫は対等なパートナーであり、家事・育児はこれまでやってきたがそろそろ役割から降り、再び自分として1人の女性として「生涯主役」で輝きたい意識が強い。自分が輝き続けるためには、家事の外注は許容するが、孫の子守は必ずしも引き受けるとは限らない。そして「咲き続けたい」意識は、シニア扱いされる事を許さない。従来の「年齢よりも若く」ではなく「年齢不詳」を目指す。

Hanako世代は「消費に欲張りな最後の世代」である。情報収集に熱心であり、モノ・コト含めての旺盛な消費意欲を持つ。この事は20代のバブル経験によって強化され世代特徴となっている。住宅ローンや子供の教育費から解放されつつある今、しばらく我慢していた自分のための消費を再び始めようとしている。

 

Hanako世代攻略のポイント

①ファッション
フェミニンでエレガントであること。体の線がきれいに見えること。素材や着心地など含めて上質感があること。Hanako女性はあくまで女性らしさにこだわる。着ていく場面で主役になれる服を選びたい。

 

②美容
シミ・シワ・タルミに対抗するため、あらゆる手を尽くす。美容機器やエステ、美容医療まで手を伸ばしうる。メークアップ化粧品に関しては価格に厳しい。高価格なものを売るためには、プロのメークアップアドバイスなど、商品の効果だけでないプラスαの情報や技術が必要。ヘアケアに関しては、自宅でのトリートメントだけでなく、ヘッドスパなどのサロンケアも併用する。

 

③趣味
自分を高め新しい自分を発見する仕掛けが必要。資格が取れる、ステップアップできる、達成感が得られる、権威によって裏打ちされている、発表の場がある、コミュニティができるなど。そのコミュニティの中で少し自慢できたり賞賛されたり、主役になれる事も求められる。

 

④家族
夫婦関係の再構築として、散歩、外食、映画などハードルが高くないものから始めるかもしれない。次にドライブや国内旅行など。子供については、自分の成果物なので、思い通りに育ったかで距離感は異なる。子供や孫におばあさんとして尽くしたりお世話をするというよりは、自分の行動予定に付き合ってもらったり、イベントに巻き込む。

 

⑤介護
Hanako女性の中でもキャリアや経済的に余裕のある人は、有料の介護付き老人ホームや病院付属のホスピスなどに親を入居・入院させる。介護ストレスを回避しつつ、自分の時間もなんとか確保する。