SDGs入門

発刊
2019年6月15日
ページ数
240ページ
読了目安
247分
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SDGsの基本を学ぶ
2015年の国連サミットで採択されたSDGsとは何か。最近、ニュースなどでも耳にすることの多くなったSDGsの基本的なこと、企業の視点からどのように取り組むべきかといったことが紹介されています。

SDGsとは

2015年9月に国連総会でSDGsが採択されて以降、政府や自治体、企業、非営利団体や大学などで、SDGsに関する様々な取り組みが展開されている。SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で「持続可能な開発目標」と訳す。SDGsは、目標17個がセットになっている。17の目標には「こういう風に行動し、こんな状態になりたい」という内容が書かれている。2030年に向けた、全世界共通の持続可能な成長戦略があり、その中心として書き込まれているのがSDGsである。

SDGsには17の目標のもと、169のターゲットも作られている。このターゲットこそ、企業にとって取り組みのヒントになる。

人間活動から生じた課題を解決する

SDGsが必要とされているのは、世界共通の目標なしに各国や企業が振る舞うと、世界的な課題が十分なスピードで解消されず、逆に世界の状況がますます悪くなり、ゆくゆくは人間の生活そのものが脅かされてしまう、安全・安心で平和な世界とはほど遠い状態になることが強く懸念されているからである。

これまでの人間活動から生じた課題は多様で、深刻な影響を引き起こしている。人間活動には、個人、地域、企業、政府等のすべての階層が含まれる。企業にとってのポイントは、今まで通り、利益重視で好きなように振る舞うと、それがかえって経営リスクとして自らに跳ね返ってくるかもしれないことである。

持続可能な開発とは

持続可能な開発とは「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」を指す。この持続可能な開発を実現するには、1つの立場からだけ物事を見ていてはならない。短期的ー長期的という時間軸を変えてみることや、消費者ー生産者、経営者ー従業員などのように関係性を変えてみることで、持続可能な開発に近づくことができる。その時には必ず「環境」を考えに入れなくてはならない。

企業に直接の責任はないが、自分ごととして捉えるべき

SDGsの達成に向けた責任は、個々の企業に問われるわけではない。社会の代表として責任を持って進めるべきなのは国連と政府である。但し、企業が社会や環境に与える影響が大きいからこそ、企業を巻き込んだ目標になっているのがSDGsである。大切なのは、SDGsを国連のやっていることととらえず、自分ごとにすることである。

経営者がSDGsに注目する理由

昨今、経営者がSDGsに関心を高めているが、その理由が3つある。

①新事業開発や既存事業の拡大につながる可能性がある
SDGsは企業の力を必要としている。その企業への期待を丹念に理解することで、新たな事業成長の視点が得られるかもしれない。

②新たな人材獲得のための武器になる可能性がある
SDGs達成への姿勢を示せる企業は、人材獲得と人材定着への好影響を享受できる。

③世界共通のコミュニケーションツールとして有効である
SDGsは2030年を目標年とした国際共通目標であるため、世界中で通用する言語である。企業が社外のステークホルダーと話す際に、価値を伝えやすい。

支援ツールを活用する

SDGsに取り組みたい組織のための支援ツールは、国際的な団体や政府が提供している。

・SDGコンパス(国連グローバル・コンパクト)
・SDGs活用ガイド(環境庁)

様々な支援ツールが提供されているため、自分にあったやり方で取り組みことが大切である。