だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル

発刊
2011年12月9日
ページ数
216ページ
読了目安
221分
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やりたい仕事をして生きよう
「朝起きて、自分のやりたいことをやれる人。それが成功者だ」―ボブ・ディラン

「東京R不動産」というユニークな不動産物件紹介サイトを運営しているメンバーが、そのユニークな働き方を紹介しています。会社員とフリーランスの中間のような組織をつくり、どのように自己実現しているのか。
好きな仕事することの大切さを唱えながら、一方でそれで「食える」ようにする事の大切さも説く。

自分が何をやりたいのか?
どのように働くべきか?

自分にとっての価値感を改めて考えさせる本です。

東京R不動産

僕らは「東京R不動産」という、ちょっと変わった不動産物件サイトを運営している。どんな物件でも紹介する訳ではなく、魅力や個性のある物件だけを、選んで紹介する。普通の不動産紹介では拾いきれないような、物件の隠れた魅力を掘り起こしている。

この仕事は最初、「やりたいこと」をちょっとマニアックにやってみることから始まった。一緒にワクワクできる仲間が集まって、それをちゃんと「仕事」にしていくために工夫して、気付いたらユニークな仕事のスタイルや組織ができていた。

自分たちでビジネスを始めようとした理由には、それまで組織の中で働いて経験した自由さ不自由さから、僕らにとっての「理想の働き方」を実現したいという思いがあったからである。自分たちがやりたいことを実現するには、「新しい働き方」を生み出す必要があった。

東京R不動産で理想としている働き方は、次の4点である。

①やりたい仕事をすること
②ちゃんとお金を稼ぐこと
③社会を豊かにすること
④楽しい仲間と働くこと

 

フリーエージェントスタイル

僕らのワークスタイルや価値観のあり方を象徴するのが「フリーエージェント・スタイル」という組織の形である。これは会社員でもなく、独立したフリーランスでもない、両方の良いとこ取りをしたスタイルである。

これは、フリーランスとチームの要素を組み合わせたものである。チームには、持続的に社員のように深く関わりながら、働き方の自由や他の仕事をつくる自由もある。個人の自己実現とチームの勝利を同時に求めていく。その両方があって理想的な働き方ができあがる。

チームとお客さんに対して誠実でフェアであれば、いつ働くのか、いつ休むのかも決めるのは自由。働く場所は、オフィスでも自宅でもカフェでも良い。調子の悪い時には昼寝してサボっても構わない。
一方で、すべては自己責任という厳しさもある。面白い物件を見つけ、マッチングするという成果がゼロならば、収入がゼロという事もある。

自分たちがやりたい事を本当に実現し、働くという本来の喜びを獲得するには、こうしたフリーエージェント・スタイルをベースにした会社と独立の中間的な働き方が求められるはずである。

 

やりたい仕事をして生きる

好きなことを仕事にするのがいいのか悪いのか。人によっては「好きなこと」が「食えること」でない場合もある。「食える」ようにするためには我慢や妥協が必要だから、結果的に好きなことを仕事にすると不幸になるかもしれない。

僕らの場合、基本的に好きなことを仕事にしており、それは幸せなことだと思っている。好きなことを仕事にするには、ある程度「戦略的に」やることが重要である。好きなことだからこそ、社会的に成立させ持続させることに心血を注ぐことが大切である。