行動の科学 先送りする自分をすぐやる自分に変える最強メソッド

発刊
2015年12月6日
ページ数
224ページ
読了目安
258分
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先延ばしを克服するメソッド
目標の達成を妨げる「先延ばし」のメカニズムを紹介し、それをどのように克服すれば良いかを紹介している一冊。

目標達成の障害の原因は先延ばし

夢や目標、抱えている問題など人それぞれである。しかし、多くの人の障害となっている事にはいくつかの共通点がある。実に多くの人が、自分の目標を達成する障害になっている事の1つとして、行動の「先延ばし」「先送り」をあげる。そして、中には結局最後まで「やらない」という人もいる。行動を起こさない限り、決して現実が変わる事はない。

私達の行動は、私達の感情が原因となって決まる。行動できないという結果は、行動できないような感情が原因で生まれている。行動に向っていけるような感情をデザインし、行動できる状態をつくれば、誰でも見違えるようにアクティブになれる。

 

先送りの原因

先送りの原因を特定するには「痛みと快楽の法則」を理解する必要がある。私達の行動のすべては、大きく分けると2つのモチベーションで支えられている。「できる限りの快楽を得るため」のモチベーションと「痛みを避けるため」のモチベーションである。私達は本能的に可能な限りの快楽を得て、可能な限り痛みを回避するという目的を持っている。

私達が何かをしようとしたり、避けようとしたりする時、意識している、していないにかかわらず、いつも脳は快楽を得る経験を最大化するために「これは痛みと快楽、どちらを意味しているのだろう?」と判断しようとする。つまり、私達は痛みか快楽のいずれかをきっかけとして行動している。

そして、その行動、出来事自体には意味はない。私達が行動、出来事をどのように解釈し、どのような意味を与えたのかという事が重要である。自分にとっての「痛み」は、他人にとっては「快楽」かもしれない。人間の本能的な部分を抜きに考えれば、ほとんどの物事に対する解釈・連想は人それぞれ。だとすれば、この解釈・連想を意識的に変える事だってできる。

 

痛みを快楽に変換する

私達が先送りをする時、本来やるべき行動に痛みを連想し、先延ばしする事に快楽を連想している。動機付ける能力とは、痛みと快楽をコントロールする能力の事である。痛みと快楽は表裏一体。どちらを表にし、裏にするかと意識的に考える事が、自らをコントロールする第一歩となる。

行動を痛みに結び付けてしまうと、先送りにつながってしまう。従って、目の前の課題に取り組む行動と快楽を結び付ける神経回路を新しくつくらなければならない。以下の方法で、行動に対する痛みと快楽の意味付けを逆にする事で、私達は常に前向きな行動を選ぶ事ができる。

①ワクワクするような長期的で具体的なゴールを持つ
②無理のない範囲で快適領域を出て自分に負荷をかけて、快適領域を広げる

 

足止めさせる思い込みを壊す

第一歩を踏み出せずにいる時、足止めさせているものは「ビリーフ」である。ビリーフとは、信念であり、確信の度合いの高い思い込みである。もし自分にはほんの少ししか可能性がないと信じ、小さなゴールしか設定しないと、その人は自分が可能と考える範囲でしかゴールを達成する事ができない。人間は自分が達成できると信じるものを基準にゴールを設定する。私達のゴールの大きさは自分が達成できると信じているものによって決まる。ビリーフの使い方は次の通り。

①ゴールの設定は、50%程度の確信度を感じるレベルで設定する
②アイデンティティを変えるためにあえて痛みを感じる
③目指すゴールそれぞれに存在する重要な価値観を持つ
④簡単で条件の少ないルールをつくる