女性スタッフの育成がうまくいかない4つの原因
①対話・コミュニケーションが少ないコミュニケーションが不十分であると相手の状況を理解できないし、表情や声のトーンなどから相手の変化に気づいてあげられない。
②女性同士の派閥の存在に気づけない
組織には多かれ少なかれ派閥ができる。一部のスタッフだけが親密な関係になり、他のスタッフには排他的になりがちである。
③女性スタッフの家庭の事情を把握できていない
小さいお子さんがいたり、シングルマザーであるなど様々な事情を抱えている場合もある。一般に男性は仕事とプライベートを切り離して考えるが、女性は仕事と私生活の結び付きが強いという特徴がある。
④女性特有の体と心のバランスに気づけない
体調が悪かったり、生理前のイライラが強くてメンタル的に波があったりする女性もいる。
上司は話を聴くことが大切
女性スタッフ活用をめぐる様々な問題の根本にあるのは「対話・コミュニケーション」である。コミュニケーションが不十分だから相手の状況を理解できないし、表情や声のトーンなどから相手の変化に気づいてあげる事もできない。部下を育成するにあたっては、きちんと言葉で伝える必要がある。常に対話し、コミュニケーションをとる事で納得しなければ行動してくれない。
女性はコミュニケーションを重視する傾向がより強い。上司としてはコミュニケーションをとっているつもりでも、スタッフの側はそう感じていないという事も少なくない。それは「話すこと」だけがコミュニケーションだと考えているからである。むしろ大切なのは「聴くこと」である。
相手の話をよく聴かなければ、そのスタッフの悩みや価値観、スキルの到達度などがわからない。それでは的確なアドバイスもできない。そうした状態で一方的に話しても、真意は伝わらないため、モチベーションは下がる一方である。特に女性スタッフは、話を聴いてもらう事を求める。上司はまず聴き上手になって、相手を理解する事が大切である。女性は相手が理解してくれているかどうかよりも、聴いてくれているという誠意に安心や信頼をする。
サポートするスタンスが大切
女性がいきいきと働いている職場では、必ずその中心には部下の信頼を集めている上司がいる。そうした上司は、いわゆる「上司」という雰囲気ではなく、同じ仕事仲間として独特の存在感を放っている。男性上司と女性部下との距離が近いのが特徴である。たとえ部下がミスをしたとしても、一方的に叱ったり責めたりする事はない。必ず対話や問いかけによってミスの原因に部下自身が気づくようにリードしていく。
なにより大事なのは、部下に対して「関心」を持つ事である。過剰に介入するのではなく、程よい距離を保ちながら相手を「見守る」、何かあったら「サポートする」というスタンスが最も大切である。
女性スタッフが「ついていきたい」と思う上司像
「部下を信頼してくれる「」部下を大切にしてくれる」「部下への気遣いを忘れない」「自分の味方でいてくれる」「仕事ができる」「気分にムラがない」「どんな時も温和」「気配りと思いやりがある」「部下の成長を促してくれる」「話を聞いてくれる」
男性部下は「仕事や組織」についていくケースが多いのに対して、女性部下は「人」についていく傾向がある。だから、女性部下は「見ていてくれる」「褒めてくれる」「味方でいてくれる」「人によって態度を変えない」など、相手が自分とどう関わってくれるかを重視する。
女性は感情の共感を得て初めて、相手に「ついていきたい」と思う傾向がある。男性上司はこの事を十分に考慮して対応する必要がある。