決めるのは自分自身
大半の人たちは直線の人生を生きる。大学に行ってインターンをやり、卒業して会社に入って昇進する。毎年の休暇に備えてお金を貯め、次の出世を目指して働き、そうやって生涯を送る。直線の上を順番にゆっくりと、敷かれたレールの上を生きていく。
でも成功する人間はそんな枠に収まらない。彼らは一足飛びの人生を選ぶ。直線上を一歩ずつじゃなくて、段階を飛ばして進む。みんなは、まずは下積みをして数年は経験を積まないと独立しても欲しいものなんか手に入らないという。しかし、それを決めるのは自分自身だ。天才だったら、ほっといても一足飛びのチャンスが舞い込んでくる。でも大抵の場合、自分で掴むしかない。
ティッピング・ポイント(劇的な転換点)のようなものはない。小さな積み重ねがすべてだ。ティッピング・ポイントなんて、後から振り返ってあの時がそうだったと思うものだ。前線に立っている時は気づかない。起業家は前に進むだけで、転換なんてしない。
可能性を追い求めること
インタビューした人たちはみんな、人生にも、ビジネスにも、成功にも、同じやり方で向き合っている。それはナイトクラブに入るのと同じようなものだ。常に3つの入り口がある。
①ファーストドア
正面入り口のこと。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気を揉みながら99%の人がそこに並ぶ。
②セカンドドア
VIP専用入り口。億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
③サードドア
行列から飛び出し、裏道を駆け抜けて、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に必ずある。
ビル・ゲイツが初めてソフトウェアを販売できたのも、スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、みんなサードドアをこじ開けたからだ。
小さな決断によって、誰もが人生を大きく変えることができる。みんなが並んでいるからと何となく行列に加わり、ファーストドアの前で待つのも自由だ。行列から飛び出して裏道を走り、サードドアをこじ開けるのも自由だ。誰もがその選択肢を持っている。
これまでの旅で学んだ教訓が1つあるとすれば、どのドアだって開けられるということだ。可能性を信じられる人間になることで、可能性を広げることさえできる。
サードドアというコンセプトの根本にあるのは、可能性を追い求めることだ。最高の知識と道具を与えられた人でさえ、人生の行き詰まりを感じることがある。でも自分の力はここまでだという、思い込みを変えてあげられたなら、その人の人生は大きく変わる。